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SNSでいちいち傷つかないためには【北条かや × yuzuka】

8/8(火) 15:50配信

女子SPA!

 今年4月に5冊目の著書『インターネットで死ぬということ』(イースト・プレス)を上梓した著述家・北条かやさんと、精神科や美容外科の元看護師で現役風俗嬢であるyuzuka(ユズカ)さんの対談が実現。

 最終回はネット炎上を経験した北条かやさんと、男性からバッシングを浴びたyuzukaさんにネットとの向き合い方を語っていただきました。

◆ネットは「叩いたもん勝ち」

――北条さんは最近、ツイッターでは頻繁にはつぶやいていませんね。

北条かや(以下、北条):以前はかなり依存していましたけど、今はツイッターのアプリもスマホ画面の「その他」のフォルダに入れているので、やめたという意識が強いんです。私はもともと140文字での議論が苦手ですし、リプを見れば傷つく。炎上を経て、ツイッターと自分は相性が悪いと分かったので。

 今さら気づいたのか……という感じもありますけど、炎上するまでは分からなかったんです。でも、大学生の頃に始めたから、アカウントを消すのはもったいないと思ってしまうんですよね。根がケチなので(笑)。フォロワーさんが2万人ぐらいいると、ツイッターから北条かやを知ってくれる機会もあるでしょうし。

yuzuka(以下、yu):その代わりアメブロの更新頻度は高いですよね。ツイッターとは違ってすごく女子力が高い内容で。

北条:アメブロは私が安心して“女子”を出せる場所なんです。アメブロがあるおかげで今、だいぶ自我が安定している感じですね。

 あの場所(ツイッター)で生きられるほど自分は強くないので、アメブロでまったりしているほうがいいんですよね、今は。アメブロのコメント欄も閉じているし、ツイッターのリプライも見ていません。

yu:ネット上の発言は、訴えたくても訴えられないケースがあるらしいので今のかやさんにはその姿勢が合っているんでしょうね。訴えられないと分かっていて書き込む確信犯もいて、“叩いたモン勝ち”の風潮もありますし。

北条:そして批判した側は文字に残すことで、「言ってやったぞ!」という勝利感を得ているんでしょうね。私はネットの意見を読むことがなくなったせいか最近は少し突き抜けた感があります。ネットの意見を気にしないようになったんです。

yu:自分が知らない場所で言われている悪口には目を向けないようにした効果でしょうね。

◆自分を嫌う人の「誤解」を解こうとするのは不毛

北条:私はずっと自分を嫌う人たちばかりに目を向けていたんです。批判されると誤解を解くことに必死になっていたんですけど、続けても状況は一向に改善しなかった。だから、自分を大切にしてくれる人に目を向けるようにしました。視点を変えるだけで心が健やかになった気がします。

yu:私も男性に叩かれた経験をして考え方を変えました。又吉直樹さんのご著書にあった主人公の言葉が刺さったんです。「夜に他人を非難したり叩くことで、どうにか生き延びている人がいると思うことにする。そうしないと辛くて悲しくて生きられない人がいるなら、俺は許す」。

 私もこの言葉に倣って、「私を叩くことで生き延びられる人がいるなら、それで良い」と思うようにしました。といってもネット上で発言を続けると、「悟る」か「病む」かの二択ですけど……。一時期病んで、「もうyuzukaをやめようかな」と思った時期もありますし。

◆見なければ「ない」のと同じ

――yuzukaさんは病まないイメージがありますが、病むとどうなるんですか?

yu:日本酒を飲みながら大泣きしつつ寝て、翌朝は記憶がありません(笑)。

北条:「消えたい」と思うと、記憶を飛ばす方向に向かいますよね。

yu:脳を鈍麻させたくなりますね。鮮明でいることがイヤで、フワッとさせたくなります。だけど非難する人たちに負けるのも悔しいから、続けることに決めたんです。

北条:私は炎上後、家族のことを2ちゃんねるに書き込まれてしまい、いろんな人に相談したんです。あるとき母に相談したら「私たちは自分や娘が非難されているコメントを見ていない。見ていないのはないことと一緒だ」と言われて、ネット世代ではない親が言うように、そもそも「見ない」選択肢もあると学びました。

 お仕事の関係者からは、「2ちゃんねるを日常的に閲覧、書き込みをしている人自体を人間関係から排除したほうがいい」と言われたので、気にしないことにしました。

yu:自分のことならまだしも、家族や大切な人を非難されると気分が落ちますよね。でも、いろんなことを経験するうちに、「見ない=ゼロ」だと悟ったんです。ツイッターや2ちゃんねるだけではなく、今はインスタグラムやフェイスブックを見て病む女性もいるんですよね。「私は他の人よりリア充じゃない」とか。「いいね!」が少ないとか。

北条:特にその2つのSNSは幸せ自慢をしやすい場所ですからね。ただ、幸せ自慢をしている人が本当に幸せな“だけ”の生活を送っているかというと、そうとは限らない。だから、幸せ自慢をしやすいSNSだと熟知して使いこなさないと、しんどくなると思います。

yu 今は情報を「見る」「検索する」ことより、「シャットアウト」するほうが難しい時代ですし。情報過多でもあるから、意図的にシャットアウトしたほうがいい場合もあるんですよね。

―北条かや×yuzuka対談 vol.5―

<構成/内埜さくら 撮影/難波雄史>

女子SPA!

最終更新:8/8(火) 17:59
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