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屋久島出身初のJ1・J2選手になる!神村学園・高橋大悟が駆け抜けた夏。

8/8(火) 7:01配信

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 「僕が頑張ることで、屋久島でサッカーをやっている子供達が、少しでも“やれるんだ”という気持ちになってくれれば嬉しい」

 インターハイ鹿児島県代表、神村学園のエースナンバー14を背負うMF高橋大悟は、あどけなさが残る顔つきで、こう口にした。

 現在高校3年生の高橋は、全国的に見ればまだ無名の存在だろう。ただ卓越したボールコントロールと高い精度を誇る左足を持ち、広い視野と的確な判断力を駆使。相手の守備組織を壊す悪魔のようなスルーパスと、ドリブル突破からのシュートを放てるMFだ。実際、すでに複数のJクラブが獲得に本腰を入れており、J入りは確実視されている。

 実は今回のインターハイは彼にとって高校入学後、初の全国大会だった。それだけに今大会に懸ける想いはとてつもなく大きかった。

「いつか屋久島を出て、サッカーでプロになりたい」

 高橋大悟が生まれたのは、鹿児島市から南に約135km離れた、島全体が世界遺産となっている屋久島だった。

 「屋久島は本当に遊ぶところがないので、サッカーや野球しかないって感じでした。夏は海で泳いでから、冬は暖まるためにサッカーや野球をして。でもそれが凄く楽しかったんです」

 高橋は少年時代、島の仲間達と自然の中で遊ぶ活発な子供だった。そして幼稚園からサッカーを始めると、サッカーと並行して野球にも打ち込んだ。競技をする人数が少ないということもあり、野球で全ポジションをこなし、サッカーでもどこでもこなす万能ぶりだった。

 その中で高橋は自然と、サッカーの魅力にどんどんハマっていった。

 「サッカーの方が凄く楽しくて、いつか屋久島を出て、サッカーでプロになりたいと思うようになったんです」

浜からボールを遠くに蹴って泳いで獲りに行ったり。

 だが、サッカーをやる上でハンデもあった。屋久島には4つのサッカー少年団があるが、県大会に出場するのがやっとのレベル。しかもグラウンドの数も限られ、サッカーをする環境は決して良いとは言えなかった。

 しかし彼は自らの技術を磨くために、遊びの中で様々な工夫を凝らしてきた。

 「小さい頃からボールに触っているのが好きで、家ではおもちゃで遊んだ後に、片付けないままにして、その散らばっているおもちゃを敵と見立ててドリブルをしていました。あと、近所に木が沢山ある公園があって、その木を敵と見立ててドリブルしたり(笑)。あと、夏は海に行って、浜からボールを遠くに蹴って、泳いで獲りに行くとか、いろいろやりました。自然だらけなんで(笑)」

 自然環境を活かしたトレーニングは、屋久島で育ったサッカー小僧をハイレベルな技術を持つフットボーラーに変貌させた。小4で県選抜に入って以降実力をつけ、県内でその名を轟かす存在となった。

 そして小6の段階で、九州の強豪中学からオファーを受けたのだ。

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最終更新:8/8(火) 10:56
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