ここから本文です

大前氏 日本人の家計の不安はAI搭載のロボアドバイザーで解消される

8/9(水) 17:00配信

マネーポストWEB

 日本の個人金融資産は1800兆円にものぼる。まさに「黄金の国」だが、それらは主に高齢世帯で死蔵されるばかりで、将来への不安が先に立つ「低欲望社会」の日本では、なかなか消費や設備投資に向かない。経営コンサルタントの大前研一氏が、低欲望社会を脱出できるプランについて解説する。

 * * *
 いま日本で本当に求められている政策は、夢物語のようなGDP600兆円や2%物価上昇ではなく、高齢者を中心に国民一人一人の将来に対する漠たる不安を解消することだ。具体的な方法は、いわば洋服をオーダーメイドするように、その人その人に合ったファイナンシャルプランを作り、それがマイナスになった人には国がセーフティネットを用意すればよい。

 たとえば、所有している住宅の残存資産価値や加入している保険の価値はどれくらいあるのか? 年金はいくらもらえるのか? そうしたことを計算してきちんとしたファイナンシャルプランを組み立て、それに自分が望むライフプランをマッチングさせるのだ。

 この作業をやってみると、実は、多くの人たちは最後にかなりのお金が余るということがわかる。その人たちは、余るお金を生きているうちに、人生をエンジョイするために使おう、と考えるはずだ。

 つまり、日本人はまず個々人が自分自身のファイナンシャルプランを作るべきなのだ。これだけは一般論ではなく、個別に計算しなければ、将来に対する不安は解消しない。もし、それすら面倒だというなら、いま資産運用分野で急速に進化しているロボ・アドバイザー(ロボアド)を活用し、AI(人工知能)にファイナンシャルプラン作りから投資まで、すべて任せてもよいだろう。

 そのようにして人々の将来に対する漠たる不安が払拭されれば、今は銀行などに眠っていて“死に金”となっている個人金融資産が市場に出てきて消費が拡大し、一気に景気が良くなるはずだ。

 逆に、経済効果ゼロで税金だけを浪費するアベノミクスを続けていたら日本経済は早晩行き詰まり、国債暴落とハイパーインフレを招くかもしれない。そうなれば、「異次元金融緩和」の名の下に427兆円(3月末時点)もの国債をフォアグラのように貯め込んでいる日銀は、それが腹の中で爆発するので、日本経済はジ・エンドだ。1800兆円の個人金融資産も、あっという間に雲散霧消するだろう。

 このままいくと「黄金の国ジパング」はやはり幻だった、という結末になりかねないのである。

※週刊ポスト2017年8月11日号

最終更新:8/9(水) 17:10
マネーポストWEB

記事提供社からのご案内(外部サイト)

マネーポスト

株式会社 小学館

2017年夏号
6月1日発売

定価620円

最新号の総力特集は〈ただならぬ大化け株 総力発掘50〉。「年内株価3倍期待の高成長株10」他、上がる株を一挙大公開。