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【高校野球】一睡もせずに臨んだ盛岡大付の主砲が「夏連覇」阻止

8/9(水) 15:05配信

週刊ベースボールONLINE

 史上7校目の“夏連覇”を目指す作新学院(栃木)との1回戦を前に、盛岡大付(岩手)・植田拓の口から衝撃の事実が明かされた。室内練習場で行われる試合前の取材は10分。残り1分となったあたりで朝8時開始の第1試合、定番の起床時間を聞く質問である。

 通常は4時と答えるのが一般的だが、植田は「3時45分です」と答えた。しかし、正確には「一睡もしていません」と苦笑い。決して緊張しているわけではない。すでに前夜からアドレナリン全開で「楽しみ過ぎて(笑)」が本音だった。今回は2年夏から3季連続、自身3度目の甲子園。“不眠症”は今夏に始まったことではなく、植田の自己申告によると、2年夏の2回戦(対創志学園)、3年春の1回戦(対高岡商)に続き3度目だというから、すでに慣れっこである。

 昨晩もベッドに入り、布団をかぶったが結局、寝つけず、テレビをずっと見ていたという。だが、かえって力が抜けて「調子が良い」というから驚きだ。実際、今春の高岡商戦では6打数3安打2打点、昨夏の創志学園戦では本塁打を放っており勝利に貢献。睡眠不足は爆発への吉兆なのだ。

 そして、今夏の作新学院戦。「三番・中堅」で出場した植田は2安打を放ち、初戦突破に貢献。侍ジャパンU-18代表候補に選出されており、バットだけでなく、好走塁と守備でも魅せた。作新学院の夏連覇を阻止し、「抽選から決まって以降、食うぞ! 食うぞ! と言ってきたのでうれしい。ただ、安心すると足元をすくわれるので、(負けた作新の悔しさも)背負って、優勝したい」。

 笑顔で語った植田だが、今夏の県大会前から右手首を痛めており、万全の状態ではなかった。痛み止めを飲んで、テーピングを巻いていたが、出場する以上は言い訳をしないポリシーがある。

 右手首の痛みが睡眠の邪魔をしたのかを聞けば「それはありません!」とキッパリ。しかし、猛暑の中での試合で、さすがに疲労は隠せない。

「ちょっと頭が痛いんです(苦笑)。今夜はゆっくり、寝たいです」

 2回戦まで中5日。盛岡大付は3季連続甲子園とはいえ、最も難しいとされる初戦の重圧から解放された。植田も次戦は睡眠十分で試合に臨みたいところだ。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

週刊ベースボール

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