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有森裕子 疲労回復トレーニング法、「LSD」の勧め

8/9(水) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 夏真っ盛りですね。この季節、トレーニングを追い込みすぎると疲労が蓄積されやすくなり、ケガもしやすくなります。トレーニング時の暑さ対策はもちろん、寝室の温度調節なども工夫して、質の高い睡眠をとるように心がけましょう。入浴後のストレッチもしっかり行って、疲労軽減のためのケアに努めてほしいと思います。

■LSD(ロング・スロー・ディスタンス)で疲労を軽減!

 夏の練習に限りませんが、現役時代の私が疲労軽減のためによく行っていたトレーニングの1つが、LSD(ロング・スロー・ディスタンス)でした。その名の通り、その人にとって楽なペースで、ゆっくり長く走ることを目的とした練習です。

 ランナーの走力レベルによっても変わってきますが、LSDの効用は大きく3つあります。1つは、先ほども触れた疲労軽減のため。もう1つは心肺機能を高め、長距離ランに必要な遅筋繊維(持久力をもたらす筋肉)を増やして持久力をつけるため。3つ目は長い距離や時間を走りきったという自信をつけるためです。

■LSDの効用
(1)疲労軽減に役立つ

 激しい練習をした後は、当然疲労がたまります。そんな時、現役時代の私は「積極的休養」をとるべく、斜面のある山道を使ってLSDを行っていました。5~6時間、ゆっくりと走り続けるトレイルランニングのようなイメージです。

 積極的休養とは、じっと何もせずに体を完全に休ませるのではなく、体を動かしながらほぐすことで疲労を軽減させることをいいます。例えば、土の山道をゆっくりと走ると、斜面の角度に合わせて着地しますから、足首がいろいろな方向に動く。すると、アスファルトの上ではあまり使わない足の筋肉を使うため、筋肉がほぐれやすくなるのです。私の場合、平坦な道よりも山道を走るほうが、筋肉の疲れが取れる実感がありました。

(2)初級ランナーの心肺機能を高め、持久力を上げる

 LSDの効用の2つ目は、心肺機能が高まり、遅筋繊維が増えることです。すると、激しい練習をしても疲れにくくなりますし、ケガもしにくくなります。練習の質や量を上げて乗り切るためには、スタミナや筋肉といった基礎となる土台をしっかりと固めなければいけません。練習をステップアップさせるためにも、LSDは大切な役割を担っています。

 ただし、ある程度練習を積んだ中上級ランナーの場合、LSDだけでは効果的な持久力アップにはならないと思います。「LSDで持久力をつける」という考え方よりも、1つ目に紹介した「疲労回復のトレーニング」としてLSDを活用するほうがいいでしょう。

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最終更新:8/9(水) 7:47
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