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【パンチ佐藤が直撃】教壇に立つ元楽天・西谷尚徳 (前編)

8/9(水) 16:05配信

週刊ベースボールONLINE

『ベースボールマガジン』で連載しているプロ野球選手の第2の人生応援プロジェクト「パンチ佐藤の漢の背中」。現役を引退してから別の仕事で頑張っている元プロ野球選手の下をパンチさんが訪ね、お話をうかがってまいります! 今回は講師として教壇に立つ、元楽天の西谷尚徳さんです。

野球は野球、勉強は勉強。メリハリをつけて両立

 プロ野球選手のセカンドキャリアとして、高校、大学の野球部監督に就任、というのは今では珍しくない話。しかし、現役時代から大学院で学問を積み、引退後、大学法学部で教鞭をとる元選手といえば、希少な存在だろう。

 東北楽天ゴールデンイーグルス“一期生”西谷尚徳さん。今は教育学を専門とし、「論理的技能を養成するための教育研究」「初年次教育における文章表現指導」「学生のキャリアに活かすアクティブラーニングと教育」を主な研究テーマに、活躍する。

◇ ◇ ◇

パンチ 大学のキャンパスなんて何年ぶりだろう! 懐かしいなあ! 今、ここ(立正大)ではどんな授業をしているんですか? 僕を学生と思って、少し講義してくださいよ。

西谷 例えば先日行ったのは、「論証をするためには」という授業ですね。

パンチ「論証」……ですか?

西谷 まず、佐藤君なりの意見、主張を一つ出してもらいましょう。佐藤君、今晩は何を食べたいですか?

パンチ 僕は焼き鳥が食べたいです。

西谷 それはなぜですか?

パンチ 先日奥さんの故郷・中国へ行って、中華料理ばかり食べてきた。だけどアニサキス症が話題になっているので、刺身はやめておきたい。それで、焼き鳥を選びました。

西谷 今、「なぜ」と聞かれてパンチさんが答えてくださった部分が、ご自分の主張に対する「理由、根拠」です。それをさらに強く出すと、「論証」になります。大学生がレポートや論文を書くにあたって、これらの「意見、主張」「理由、根拠」「論証」は不可欠です。そういった文章表現のルールや作法を1年生に教えています。

パンチ なるほど。よく分かりました。しかしそもそも、プロ野球を引退してすぐ先生になろうと思ったんですか?

西谷 引退して即、ですね。ただ、実はその前からずっと計画をしていたというか、勉強はしていたんです。(明治)大学時代に高校の国語の教員免許を取り、楽天在籍中、大学院の通信教育で教育学を勉強しました。

パンチ ちょっと失礼な質問になっちゃうんだけど、その勉強している時間にバットを振ろうとか、寝て体力を蓄えようとかは思わなかった?

西谷 思わなくもなかったんですけど、やはり体力には限りがあると感じていましたので。休むことももちろん仕事のうちですが、時間が空くとどうしても野球についていろいろ考えてしまう。やるときは何かやる、とメリハリをつけたかったんです。

パンチ そうか、失礼、失礼。それは僕の場合、もう酒を飲んでの反省会だったわけだけど。パチンコをする人もいればゲームをする人もいる。1日の中で野球をスパッと忘れる時間を作る。それの一つということだね。西谷君の場合はそこで勉強した、ということだ。高校の教職を取ったのは、大学時代、すでに将来先生になりたいという気持ちがあったから?

西谷 はい、もともとそういう気持ちでしたね。

パンチ それはなぜ? あこがれの先生がいたんですか?

西谷 小学校からずっと野球を続けてきて、野球の指導者というだけでなく先生――教育者に恵まれました。だから自分でも、野球の指導はもちろん、教育的指導を加えていきたかったんです。

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