ここから本文です

ネット上での象牙取引が活発化、WWFが法規制求める

8/9(水) 12:13配信

オルタナ

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京・港 以下WWFジャパン)は8月8日、インターネット上の象牙取引を調査した報告書を発表した。大手ネットオークションサイト「ヤフオク!」だけでも4週間で取引高は4,520万円に及ぶとされており、象牙製品のネット上の取引が活発化していることが分かった。WWFジャパンでは、象牙製品の合法性を担保する法規制がないことが課題とし、日本政府へ個人を含むすべての象牙取引に適用される厳格な規制を求めている。(オルタナS編集長=池田 真隆)

WWFジャパンではネット上の取引をサイバーモール(楽天市場、ヤフーショッピングなどの電子商店街)、オークション(ヤフオク!)、C to Cマーケット(メルカリ、ラクマ)の3つのカテゴリーに分けて取引の実態調査を行った。その結果、国内の象牙製品の生産高は1989年比で10分の1と縮小を続けるが、ネット上の取引は活発化していることが明らかになった。

サイバーモールでは、新たに製造された印章が主な取り扱い品目であるのに対し、オークションは調度品(彫刻や根付けなど)と装身具(ネックレス、イヤリング、ブローチなど)が63%を占めた。C to Cマーケットは装身具が70%程度だった。WWFジャパンでは、中古の象牙製品が、オークションとC to Cマーケットのプラットフォームを利用して、個人や事業者によって活発に売買されていることを証明していると分析した。

eコマース企業による監視活動の結果、サイバーモールとオークションでは2014年と比較して、出店店舗・出品者の法遵守状況は大幅に改善した。しかし、WWFジャパンでは、「問題はすべての象牙製品の合法性(違法に持ち込まれたものでないこと)を担保する法規制がないこと」と強調する。

個人の売買においては、種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)が求める事業者への届出制度などの規制的措置は及ばない。そのため、全形象牙を除く象牙製品は、合法性を証明する必要はなく、取引が可能となっている。

1989年に、ワシントン条約で象牙の国際取引が原則禁止されたが、C to Cマーケットの「メルカリ」では近年、輸入実績のない海外諸国(タイ、コンゴ)から日本に持ち帰ったと明記されたアクセサリーの広告が数件確認された。ワシントン条約に違反しているが、種の保存法では取引を規制することはできず、抜け穴が放置されている状況だ。

ワシントン条約COP17(2016年)で、密猟または違法取引の一因となっている国内市場に関しては、閉鎖を求めるという勧告が出された。WWFジャパンは、「日本は、ワシントン条約の締約国として、自国の市場が密猟や違法取引に寄与していないことを確実にする責任がある。日本政府は早急に、個人による取引を含むすべての象牙取引に適用される厳格な規制を実現する必要がある」と主張する。eコマース企業については、「これを待たずに象牙製品の取り扱い停止を検討するのが望ましい」とした。

この調査はWWFジャパン内で、野生生物取引部門を担当するトラフィックが行い、2017年5月~6月の取引を調べた。

最終更新:8/9(水) 12:13
オルタナ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

第一特集「難民・人権問題でビジネスは無力か」
ゴールドマン・サックス証券、プロボノで支援
難民支援 独、米国、韓国の最前線を追う
企業の人権問題、成長・リスクの分水嶺