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借金468億円を1年半で完済? 「爆買い」ミランの無謀な計画

8/9(水) 21:10配信

footballista

16-17シーズンのセリエAでピッチ外も含めて一番大きなトピックを挙げるとすれば、やはり「中国資本によるインテル、ミランの買収」ということになるだろう。


文 片野道郎


インテルという先行事例


 昨夏インテルを買収した蘇寧スポーツは、ミラノに意思決定権を持ったトップを置かず、中国から遠隔でマネージメントを行うというやり方をうまく機能させる術を見出せないまま、1年目のシーズンを終えた感がある。

 マンチーニが去った後、中国主導で進めたフランク・デ・ブール招へいが失敗した反省もあり、次の監督選びではミラノの現場(強化部門のトップであるアウジリオSD)の意見を取り入れる形でピオーリを選び、一時はそれが功を奏してチームの再建がやっと軌道に乗ったかのように見えた。しかし3月末から4月初めにかけて、手が届くかに見えたCL出場権が逃げ去った瞬間から、チームは結束を失って弛緩し、最後の2カ月は目を覆うような戦いしか見せられず、EL出場権すらも取り逃す結果に終わった。困難な状況に陥ってチームがばらばらになりかけた時に、強い求心力、あるいは強制力を持ってグループを締め上げる絶対的なリーダーが、ピッチ上にはおろか現場のマネージメントにも不在だったということなのだろう。

 蘇寧スポーツは来シーズンに向けて、昨秋までローマのスポーツディレクター(SD)を5年間務め、タレントを発掘し育て売却するというサイクルを極めて効果的に回して、プラスの移籍収支と結果を両立させてきたワルテル・サバティーニを、グループ全体のテクニカルディレクターとしてスカウトした。まだどのような職域と権限を手にすることになるのか、オフィシャルには何も発表されていない。しかし断片的な情報を総合すると、グループが保有する江蘇蘇寧、インテル、そして今後おそらく買収するであろうベルギーやポルトガルのクラブを統括し、これらすべてにまたがってスカウティング、選手の獲得と売却、チーム編成などを一括して回していくための仕組み作り、さらには個々のクラブの組織体制作りまで、強化と運営のすべてを一手に担う責任者という位置づけらしい。

 だとすれば蘇寧スポーツは、これまでコンサルタントとして耳を傾けてきたキア・ジョーラブシャンやピーター・ケニオンとは少し距離を置き、より現場に近いサバティーニにグループ全体のオーガナイゼーションを委ねるという選択をしたことになる。

 次期監督となるルチャーノ・スパレッティは、ローマでサバティーニとともに仕事をしたツーカーの仲であり、昨秋サバティーニがクラブを去ってフロントに全面的に信頼できる味方がいなくなったことも、ローマ退団を決意した大きな要因の1つだという見方も強い。

 前任の会長エリック・トヒルは、アメリカやイングランドで成功を収めているアングロサクソン的なスポーツビジネスのメソッドをイタリアに持ち込もうとしてまったくうまく行かなかった。そして蘇寧スポーツが自ら経営権を握った1年目もカルチョの現実に通じているとは言えないジョーラブシャンやケニオンの意見を取り入れた結果、ネガティブな形でシーズンを終えることになった。ここから得られる教訓があるとすれば、まずはクラブ運営のメソッドをイタリアの現実に合わせてローカライズする(あるいはイタリアのやり方をそのまま受け入れる)ことが必要だということ。もう1つはミラノの現場に最終的な意思決定権を持ったトップ、あるいはそれに準ずる絶対的なリーダーとなり得る人物を置いた方がいいということだろう。

 サバティーニはあくまで蘇寧スポーツグループ全体のテクニカルディレクターという位置づけであり、インテルの体制としては今のところ、今年2月に「チーフ・フットボール・アドミニストレーター」、要するにゼネラルディレクターに就任したジョバンニ・ガルディーニ、2018年まで契約を延長したアウジリオSD、そしてハビエル・サネッティ副会長の3人が、蘇寧側の現場トップだが実質的な意思決定権は持っていないリュウ・ジュン(劉軍)CEOの下でクラブ運営にあたるという従来の組織のまま。新シーズンに向けてさらなる体制の見直しが必要かもしれない。

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最終更新:8/10(木) 10:18
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