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ハイネケンの「読み飽きない」報告書のつくり方

8/9(水) 22:05配信

オルタナ

ハイネケン(オランダ)は今年初旬、年次報告書とサステナビリティ報告書を初めて一つにまとめた「ハイネケン・サステナビリティ・レポート2016」を発行した。画期的だったのは、米国で同報告書を発表するにあたり、より多くのターゲット層に読んでもらうため、GIF画像(短いアニメーション)を用いチャット形式で報告書の概要を伝えるサイト「どちらを選ぶ?」を導入したことだ。(翻訳・編集=小松 遥香:オルタナ編集部/Sustainable Brands Japan)

「あなたは『日焼けした肌に見せるために、日焼けスプレー(タンニングスプレー)を愛用している』もしくは『このまま統合報告書を読む』のどちらを選びますか」。ホームページを開くと、GIF画像と共に2つの質問が表示される。

報告書と関係なさそうな前者の質問を選ぶと、同社が昨年実施した飲酒運転防止の取り組み件数や「乗るなら、飲んではいけません」というメッセージが、短い文章と絵文字付きの会話で表示される。

読み終わると、「『そうなんだ。話を戻すけど、肌を焼くのは良いことだよ。もっと焼きたい』もしくは『その取り組みについて詳しく知りたい』のどちらを選びますか」と再び質問が表示される。前者を選ぶと、同社の二酸化炭素排出量削減の取り組みについて、同様にチャット形式で教えてくれる。後者を選んだ場合は、報告書の該当箇所が表示されるという仕組みだ。

敷居を下げ、より多くの人に読んでもらう

米ハイネケンのCSR部のステファニー・ジョンソン部長は、「毎年、何百ものサステナビリティ報告書が発行されています。重要なのは承知ですが、作成する側も多くの人が100ページを超す報告書に目を通す時間がないことや辛抱強く読んだりしないことを分かっています」と話す。

より多くの人に、米ハイネケンがサステナビリティに関する取り組みでどういう成果を達成したのかを知ってもらいたい。そのために、今回のようなGIF画像を活用して報告書の内容を伝える方法を採用した。

同部長は、「報告書を読んでもらうために、敷居を下げ、全く報告書と関係ない『えっ?』と思うような質問を投げかけて、『もっと読んでみようかな』と思わせる仕掛けをしています」と説明する。

新たなコミュニケーションツールを導入することで、同社が2011年から2016年までの間に二酸化炭素の排出量を21.5%削減したことや、78%の瓶がリサイクルされていること、2008年と比べて水の使用量を28%削減させたことなどをより多くの人に知ってもらうきっかけになる。

「これは報告書の全ての内容を伝えるものではありませんが、このサイトにより長く滞在してもらい、これまでであれば目を通さなかった内容も読んでもらえたらと考えています」とジョンソン部長は話している。

次の報告書は、SNSでシェアされるものに

ハイネケンが、サステナビリティへの取り組みを広く知ってもらうためにこうした画期的な手法を用いたのは初めてではない。2015年のサステナビリティ報告書を発表した際も、簡単なオンラインゲームをしながら、同社の取り組みを知ってもらう方法を取り入れた。

同社は、来年発行する2017年の報告書については、インスタグラムやフェイスブックでシェアしてもらえるような仕掛けをつくろうと考えているという。

「より良い世界を醸成する」というのは、ハイネケンの理念の一つだ。同社は、他企業や他ブランドと大きな差別化を図るために以下の6分野に重点を置いている。

・ コミュニティーと共に成長すること
・  水資源を守ること
・  CO2排出量を削減すること
・ 健康と安全を促進すること
・  サステナビリティ調達を行うこと
・  責任ある消費を促すこと

「サステナブル・ブランド ジャパン」より転載

最終更新:8/9(水) 22:17
オルタナ

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