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吹き荒れるマネーの嵐で混戦に。プレミアリーグを制するのはどこだ?

8/9(水) 11:51配信

webスポルティーバ

「クロスボールを1本上げるのに、いったいどれだけの費用が必要なのか──」

 皮肉交じりにそうつぶやいたのは、元イングランド代表FWのガリー・リネカーだ。冒頭のコメントは、英国人ディフェンダーとして史上最高額となる5300万ポンド(約76億円)でトッテナム・ホットスパーからマンチェスター・シティに移籍した右サイドバック(SB)、DFカイル・ウォーカーの商談が成立した直後のコメントである。

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 しかも、マンチェスター・Cは左SBのDFベンジャミン・メンディを5400万ポンド(約78億円/前モナコ)、左右両SBでプレー可能なDFダニーロを2700万ポンド(約39億円/前レアル・マドリード)で獲得した。ジョゼップ・グアルディオラ監督がサイドバックを戦術上のキーポイントと捉え、人員の総入れ替えが必要だったという事情はあるにせよ、SBだけで1億3400万ポンド(約193億円)もの巨費を投下しているのは極めて異例と言っていいだろう。

 ただ、記録的な補強が続いているのは、マンチェスター・Cに限った話ではない。

 マンチェスター・ユナイテッドがFWロメル・ルカクに7500万ポンド(約108億円/前エバートン)を費やせば、そのベルギー代表FWを取り逃したチェルシーもFWアルバロ・モラタを7060万ポンド(約102億円/前レアル・マドリード)で補強。アーセナルはFWアレクサンドル・ラカゼットをクラブ史上最高額の4650万ポンド(約67億円/前リヨン)で迎え、前出のマンチェスター・Cもポルトガル代表MFのベルナルド・シウバを4300万ポンド(約62億円/前モナコ)で加えた。

 また、中堅クラブに目を向けても、エバートンがすでに9000万ポンド(約130億円)の補強費を市場に投下している。FWウェイン・ルーニー(前マンチェスター・U)はフリーで獲得しているが、23歳のGKジョーダン・ピックフォード(前サンダーランド)と24歳のDFマイケル・キーン(前バーンリー)のイングランド若手有望株にそれぞれ3000万ポンド(約43億円)を使った。2年前の覇者レスター・シティも現時点で5000万ポンド(約72億円)、ウェストハム・ユナイテッドも4000万ポンド(約58億円)と、例年を上回るハイペースで投資している。

 これまでとの違いは、数字が雄弁に語る。

 2年前と比べて約1.7倍まで膨れ上がったテレビ放映権料の恩恵を受け、本稿執筆時(8月5日)でプレミアリーグ20クラブの補強総額は「9億4500万ポンド(約1360億円)」。市場閉幕まで3週間の期間を残していることを考えれば、昨夏市場の補強総額11億6500万ポンド(約1678億円)をゆうに超え、史上最高額を記録するのは間違いない。チェルシーやリバプールが獲得を狙うサウサンプトンのDFフィルジル・ファン・ダイクなどのビッグディールも残されており、市場閉幕間際には駆け込み移籍も相次ぐだろう。

 こうしたプレミアクラブによる札束攻勢と、インフレ傾向の強い今夏の移籍市場について、英紙『デイリー・テレグラフ』は「異常な状況」「クレイジー」と否定的に表現しているが、資金力増加に伴う記録的な出費により各クラブの競争力が増しているのは、今季プレミアリーグの見どころのひとつになるだろう。タイトル争いから残留争いまで、いつになく混戦模様が強まりそうだ。

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