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子ども向けバーチャル化学実験教室を独BASFがネットで展開

8/9(水) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 子ども向けの実験教室と言えば、夏休み恒例のイベントだが、それがバーチャルの世界に拡張されることになった。

 8月1日、ドイツの化学メーカーのBASF(ビーエーエスエフ)が、過去20年間続けてきた「子ども実験教室」の発展形として、インターネット上で各種の化学実験が楽しめる「バーチャル実験教室」(http://basf-jp.kids-interactive.de/)をローンチしたのだ。

 これは、リアルの実験教室に伴う場所や時間という制約を取り除き、より広くオンライン上で子どもたちに化学の面白さを体感してもらおうとの狙いで、2011年にドイツ語で始まった。その後、16年に英語、中国語(繁体字、簡体字)が追加され、今年の夏に日本語が加わった。続けて、スペイン語、韓国語、ベトナム語なども追加されることが決まっている。

 バーチャル実験教室の扉を開けると、BASFに縁のある化学者たちの肖像画が飾られた円形のホールが目に飛び込んでくる。そこで、実験室に入っていくか、ゲームで遊ぶかを選択できる。最初に音声・テキストの言語を選び、ID登録すればゲームのスコアを保存することもできる。

 正面の奥にある実験室は、テーマ別に分かれており、室内には実験に必要な器具が揃えられている。

 例えば、「甘くなるパンの秘密を探ろう」という実験室は、各種の器具を使って食物内に含まれる栄養素や酵素による分解について学ぶ。

 また、「汚れた水をきれいにしよう」実験室では、水の浄化作用をシミュレーションする。そして、「赤い色移りのなぞを解き明かそう」実験室では、色移りを防止する洗剤の成分はどう作用するのかを体感する――。

 バーチャルのオンライン実験教室は、リアルの世界で1997年から2017年までの過去20年間、30ヵ国以上で約80万人の子どもを相手にしてきたBASFの知見やノウハウが詰まった世界共通のプログラムだ。

 リアルの実験教室で先生役などを務めるのは、全てBASFのボランティア社員で、実験に詳しい研究者ばかりでなく、営業部や人事部などの事務部門からも手が挙がるという。

 今年8月2日、初めて先生役を務めた経営推進本部ジャパンイノベーションチームに所属する杉山拓氏は、元はリチウムイオン電池部材の研究者だ。子どもに理科を教えることが好きだった父親から聞いた話を思い出して参加した。「非常に面白かった。自分の視野を広げるという意味でも、大きな収穫があった」と振り返る。

 今年中にはブラジルやクロアチアなどの国が加わり、開催国は40ヵ国以上になる見込みだ。03年から開催する日本法人では、今後はリアルとバーチャルの両方で、子ども向けの実験教室に注力していく。

● 世界一の存在であるが 日本では知名度に悩む

 ところで、子ども向けの化学実験教室というものを夏休み恒例のイベントとして定着させてきたのは、日本の化学メーカーである。

 例えば、化学メーカーが加盟する4団体が中心となっている「夢・化学‐21」委員会は、BASFよりも早く、93年から「夏休み子ども化学実験ショー」などのイベントを通じ、子どもたちに化学の面白さを伝える地道な啓蒙活動に取り組んできた(小学生向け以外に、中学・高校生向けもある)。

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