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東レと東洋紡、エアバッグ生地で首位争奪戦

8/9(水) 5:00配信

東洋経済オンライン

 車の衝突事故時に運転手や同乗者の命を守るエアバッグ。その生地(基布)で世界首位の座を目指し、日本の繊維大手である東レと東洋紡が激しい火花を散らしている。

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 東レは世界5カ所目となる織布工場をインドで稼働させたのに続き、2018年には原糸から基布まで一貫生産する新工場を米州で立ち上げる。東洋紡も今2017年度からの4カ年で総額100億円を投じ、タイや北米など海外織布工場の生産能力を大幅に上げる計画だ。

■日米独の基布メーカーが激突

 エアバッグシステムは車体前部などに装着されたセンサーが衝突の衝撃を検知した際、ガス発生装置が点火し、高温のガスでエアバッグが瞬時に膨らむ仕組み。基布には強度や耐久性、耐熱性が求められ、「ナイロン66」と呼ばれる工業用ナイロン糸で高密度に織った生地が使われる。

 世界の主要なエアバッグメーカーは、約4割のシェアを握るオートリブ(スウェーデン)をはじめ、タカタ、ZF TRW(ドイツ)、豊田合成、KSS(米国)など。大規模リコールで6月に民事再生法適用を申請したタカタのみがグループで基布を内製し、ほかはいずれも外部からの調達組だ。

 その基布の独立系サプライヤーとしては、東レ、米ミリケン、東洋紡、独GST(韓国の暁星が2011年に買収)の4社が世界の大手。生産量で見ると内製のタカタが世界シェア2割でいちばん多いが、東レなど独立系の大手4社が各1割台で続く。このほか日本勢では帝人、住商エアバッグ・システムズなどが外部から原糸を仕入れて基布を生産している。

 東洋紡の現在の主顧客は、日系エアバッグメーカーの豊田合成と日本プラスト。東レは日系に加え、オートリブや韓国の現代モービス、KSSなど海外企業とも取引関係がある。両社は日系との関係を維持しながら、海外勢との取引を増やして事業を拡大する戦略を描く。そのために取り組んでいるのが、グローバルでの供給体制整備だ。

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