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西武・山川穂高の打球音は、エグい。“おかわり2世”の長打力が完全開花。

8/9(水) 8:01配信

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 グシャリ、という濁った音を残し、ボールがスタンドへと吸い込まれていく。ホームランを「快音」と表現する機会は多いが、山川穂高の本塁打の場合は「快い音」というより、耳慣れない奇妙な音だ。

 中村剛也、浅村栄斗、森友哉などフルスイングを売りにするバッターが多い埼玉西武ライオンズの中でも、山川の打球は一際強烈で、えげつない。

 5月、二軍戦に出場している際には、山川のホームランが外野フェンスに張られた防御ネットを軽々と越え、球場の奥にある選手寮のサッシを直撃。8日間で、立て続けに3枚の窓ガラスを破壊した。

 「入団してから寮の窓ガラスを割ったのは、トータルでは5枚くらいですけど、寮の横に停めてあるコーチや先輩の車にぶつけたときは焦りましたね」

 愛嬌たっぷりの笑顔で語るが、その人並み外れたパワーを、現在は一軍でいかんなく発揮している。

則本から2本を含む、3打席連続ホームラン。

 59年ぶりの13連勝を記録し、1位のソフトバンクホークスとのゲーム差を一気に縮めたライオンズだが、チームに勢いをもたらしているのが山川のバッティングだ。8月に入ってからの打率は5割ちょうど。4本塁打で実に14打点を叩き出している。

 不振のメヒアに代わり山川がスターティングメンバーとして出場したのが7月26日のことだった。当初はノーヒットに終わる日もあったが、連勝を続けるチームとともに山川もぐんぐんと調子を上げる。

 圧巻だったのは8月2日の東北楽天イーグルス戦。日本球界のエース、則本昂大から2打席連続の本塁打を放ちノックアウトすると、続く第4打席目もレフトスタンドへと豪快に運び、3打席連続の本塁打で観客の度肝を抜いた。

入団当初から「おかわり2世」と呼ばれた長打力。

 入団当初から「おかわり2世」と呼ばれ、その長打力には大きな期待を寄せられてきた。しかし、長距離砲の多いライオンズでは、そう簡単には出番は巡ってこなかった。昨年はシーズン半ばになってやっと出場試合が増え、49試合に出場。山川の能力を思えば物足りなさが残るシーズンだった。

 それでも、覚醒の片りんは見せていた。49試合で放った本塁打数は14本。およそ3試合に1本のペースである。山川は昨年をこう振り返る。

 「昨シーズンはまず、開幕から野球をしていると言えるような仕事ができていなかったことが悔やまれます。シーズンの終盤、チームが4位、5位という位置にいるときに、試合に出していただけるようになった。試合に出られたことは収穫ですけど、上位を争っているときに出場するのとでは当然、プレッシャーが違うと思います。もし、優勝争いのプレッシャーの中で、昨年の本塁打数が記録できたら胸を張れるんですけどね」

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最終更新:8/9(水) 8:01
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