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ビールだとたくさん飲めるはなぜ?

8/9(水) 10:33配信

日経グッデイ

みなさん、「カラダにいいこと、毎日プラス」していますか? このクイズでは今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式でおさらいします。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。では、さっそくクイズを始めましょう。

【関連画像】アルコールは胃でも吸収されるが、吸収される割合はせいぜい5~10%程度。残りは小腸で吸収される

●アルコール吸収の仕組みに関する問題

【問題】ビール好きなので、この時期なら大ジョッキで何杯もいけます。しかし、水だとすぐお腹いっぱいになってしまいます。これはなぜなのかずっと疑問に思っていました。この理由として、「水は胃では吸収されないが、アルコールは胃でも吸収されるから」という話を聞きましたが、これは本当でしょうか。

(1)ホント
(2)ウソ
(3)一部ホント

正解は、(3)一部ホント です。

 夏真っ盛りの今の時期は、やはりビールが最高です。ビール好きなら、大ジョッキ(700mL程度)を何杯も飲む人も珍しくありません。しかし、ただ水を飲むだけだと、あまり飲めないという人が多いのではないでしょうか。

 胃や腸などの消化器系のメカニズムに詳しい東海大学医学部 内科学系 消化器内科学教授、内視鏡室長の松嶋成志さんは、「実際にビールの飲める量を計測したわけではありませんが、ビールだと大ジョッキで3~4杯程度飲まれる方がいらっしゃいます。一方で、水の飲める量については、『飲水試験』で検証されています。それによると、人間が一気に飲める水の量はせいぜい1~1.5L程度という結果が出ています(Am J Phosiol Gastrointest Liver Physiol. 2003;284:G896-G904.)。もちろん個人差がありますが、ビールの方が多く飲める人がいるというのは確かでしょう」と話します。

 では、なぜビールだと多く飲めるのでしょうか。この理由として、よく言われているのが、「水は胃では吸収されず、腸でしか吸収されない。一方でアルコールは胃でも吸収される。だからビールはたくさん飲める」というものです。実際、ネットで検索すると、こういった説明が散見されます。

●胃からのアルコール吸収は数%程度だった

 しかし、ビールのアルコール分は5%程度。ビールを1L飲んだとして、仮にそのアルコール分がすべて胃で吸収されたとしても、たったの50mLでしかなく、残りの水分は胃に残ってしまいます。さらにアルコールは胃だけでなく、小腸でも吸収されるといいます。となると、「アルコールは胃で吸収されるから、ビールはたくさん飲める」という理論は説明がつかなくなります。

 松嶋さんは、「アルコールが胃で吸収されるという側面は確かにあります。しかし、胃で吸収されるアルコールはせいぜい5~10%程度で、残りは小腸で吸収されます。ですから、その影響はわずかといえるでしょう。そもそもビールの大半は水分で、水分は胃では吸収されません。つまり、ほとんどが胃に残ることになります。ですから、ネットなどに書かれている『アルコールは胃で吸収されるからたくさん飲める』という説は主たる要因にはなりえません」と説明します。

 ネットの情報は一部正しいものの、あくまで補助的な要因だったわけです。では、主な要因は、何なのでしょうか。

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最終更新:8/9(水) 10:44
日経グッデイ

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