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あなたの身にも起こるかも!認知症や介護が引き起こす相続トラブル3ケース

8/10(木) 22:00配信

リビング福岡・北九州

2015年の司法統計によると、遺産分割が裁判に発展するケースの約3割が、遺産1000万円以下の家庭。「うちは遺産が少ないから争いなんて起こらない」とは言えません。

知らないと損する「相続クイズ」

また、2015年の税制改正により、相続税を支払う義務のある人は倍近くに増えています。ここでは、よくある相続トラブルの3ケースを紹介。家族が集まるお盆の時期にこそ、こうなる前に話をしておきませんか。

[ケース1]存命の配偶者が認知症
高齢化が進む日本では、残された配偶者が認知症という事態も少なくないはず。正当な話し合いができないだけでなく、相続した財産を周囲の人に使いこまれる可能性も! 認知症の相続人の財産を守るには、どうしたらいいの?

■発症前でも利用可「成年後見人制度」
相続でもめないためには、生前、それも正しい判断ができるうちに準備をしておくことが大切。

生前贈与や遺言で配偶者が不利にならないようにしておくのが良いですが、相続人が認知症などで適正な判断ができない場合は、「法定後見制度」(認知症などの程度により「後見」「保佐」「補助」)を活用でき、後見人は資産管理全般を担当することとなります。親族でも弁護士でも良いですが、家庭裁判所が選び、使い込みなどがないよう監督します。信託銀行のサービスも、使い込みを防ぐのに効果的です。

認知症になる前の時点なら、本人が後見人を指定できる「任意後見制度」も活用できます。

[ケース2]介護をしている兄弟の方が有利?
介護問題も、今やどの家庭にもつきもの。亡くなった人の介護をしている兄弟は相続に有利? 生前に生活費の援助を受けた兄弟は得している? 目に見えない労力や援助はどこまで認められるの?

■主張したいなら証拠を残して
介護など「世話をした」という言い分は、いわゆる「寄与分」の主張。生前貢献した相続人を優遇するためのものですが、立証が難しい上、親子として当然の範囲の援助は認められません。

また、生前に受けた財産援助を「特別受益」として相続分から差し引くこともできますが、これも証拠がないと主張は難しいです。亡くなった本人がそれらの事情を加味して遺言を書くほか、誰に何を残したいかを決めているなら、生前贈与も良いでしょう。

生命保険も受取人を指定できるので、対策になります。

[ケース3]遺言はどこまで有効?
民法では法定相続人の相続分が定められているもの。にもかかわらず、遺言には自分の相続分がない!? 遺言は法律よりも優先されるの?

■「遺留分」で最低額の請求が可能
遺言を残せば自由に遺産の配分を決められますが、相続人が不服の場合、法律的には「遺留分」を請求できます。遺留分は民法で定められている相続割合の半分です。ただし、兄弟には遺留分はありませんので、子どもがいない夫婦で将来遺産を全て配偶者に残したいなら、遺言を残しておくのは有効な策です。

遺言は、準備が容易な「自筆証書」でも良いですが、形式が守られていないと無効。「公正証書」は費用はかかりますが、偽造や紛失も防げます。


■相続でもめないためには
まずは、不動産、預金、株・証券などすべての財産を洗い出し、ある程度は配偶者や子どもにも伝えておきましょう。不動産は二次相続を避けるため、名義の確認も。また、税制改正で相続税の申告が必要な人が増えています。税金を払うのは残された家族ですから、相続税を試算し、負担になるようなら生前贈与などの活用を。遺言やエンディングノートを書くのもいいでしょう。

■取材協力
西日本シティ銀行
NCB相続プラザ
鶴 新一さん