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ど忘れしても大丈夫!「思い出す」テクニック

8/10(木) 12:10配信

PHP Online 衆知(THE21)

大切なのは、「記憶にフックをかける」こと

完璧に覚えたはず、と思っていたことも、つい度忘れしてしまったり、しばらくその記憶から離れているうちに容易に思い出せなくなったり……ということは誰しもあるだろう。そんなときでも、スムーズに「思い出す」テクニックがあるという。記憶術に関するノウハウを多数持つ、宇都出雅巳氏に教わった。

《取材・構成=林加愛》

焦れば焦るほど思い出せなくなる

記憶力とは、「覚える力」だけを指すものではありません。覚えたことの中から、必要な情報を取り出す=「思い出す」力もまた重要です。
ところが、「覚えたはずなのに、思い出せない」ということはしばしば起こるものです。その原因は主に、脳の「ワーキングメモリ」にあります。
ワーキングメモリとは、起こった出来事を一時的に覚えておくメモのようなもの。会話や計算、文章を読んで意味を把握する、といったときに欠かせない機能です。
しかしこのワーキングメモリは「容量が少ない」のが難点。新たに別の情報が入ってくればどんどん忘れますし、注意が少しよそに向けば、直前に考えていたことも忘れます。「用事で別室に行ったが、覚えていたはずの用事を思い出せない」という現象が起こるのはそのせい。ワーキングメモリの性質上、当然起こりうることなので、「こんなに物忘れがひどいなんて」と落ち込む必要はありません。
そして、「焦らないこと」も大事です。焦るとワーキングメモリの働きが落ち、ますます思い出せなくなるからです。
何かを思い出したいときは、まず落ち着くこと、そして「フック」を探すのが秘訣です。フックとは、思い出す「きっかけ」になるものです。
記憶は、個々の情報が互いに絡み合う複雑なネットワーク。一つの物事を思い浮かべると、それに共通性や関連性のあるものも同時に想起されるしくみになっています。
逆に言えば、「関連性のあるもの」について考えれば、芋づる式に目的とする情報を探り当てられる、というわけです。

覚える段階で「フック」を仕込んでおく

たとえば「目の前にいる人の名前が思い出せない」ときは、前に会ったときの記憶全体をたどるのが効果的です。
いつ、どこで、どんなふうに会ったか、他に誰がいたか、相手はどんな服装だったか――などを頭に浮かべるうち、名前がふと出てくるでしょう。
「何を話したか」も重要なフックです。仕事の話、出身地の話、趣味の話など、どんなことを相手が言ったか、自分がどう感じたかを反芻しましょう。
このように考えると、初対面の段階で、フックを意識的にたくさん仕込んでおくことが後々役に立つとわかります。関連情報が詳細であればあるほど、思い出したい情報に行きつく手立ても増えるのです。
仕込みの一例として、「人名のイメージ化」も良い方法です。名前をすぐ忘れるのは、文章のように意味を持つ文字情報ではないからです。そこで「柳沢さん」なら、その人の頭から柳の枝が揺れている様子などをイメージし、意味づけするのがお勧め。次に会ったときに「柳」が記憶によみがえり、名前が出てきやすくなります。
さらに単純な仕込みは、対面中に相手の名前を繰り返し呼ぶこと。声に出して何度も言うことで記憶にしっかり刷り込むことができます。
以上のような、自分の経験や行動についての記憶を「エピソード記憶」といいます。いわば自分自身が主人公となる記憶なので、覚えやすいのが特徴。経験を呼び起こし、そこに仕込んだフックを見つけて、目当ての情報を探り当てましょう。

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