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ホンダが富士で逆襲。鈴木亜久里が見捨てなかったドライバーの恩返し

8/10(木) 7:40配信

webスポルティーバ

 2017年のスーパーGTシリーズ第5戦「FUJI GT 300km RACE」が富士スピードウェイにて開催された。8月6日に行なわれた決勝では、GT500クラスはナンバー8のARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志)、GT300クラスはナンバー55のARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー)がそれぞれ優勝。両クラスに参戦するARTAがそろってポール・トゥ・ウィンという快挙を成し遂げた。

【写真】スーパーGT参戦全チーム紹介・GT500編

「ARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)」は、元F1ドライバーの鈴木亜久里が若手ドライバー育成のためにオートバックスとタッグを組み、1997年に発足したプロジェクトだ。スーパーGTの前身にあたる全日本GT選手権には自らドライバーとして先代のホンダNSX-GTを駆り、真夏の富士ラウンドで優勝した経験も持つ。

 2001年からは監督業に専念し、2007年には伊藤大輔/ラルフ・ファーマンを擁してシリーズチャンピオンを獲得。一時はホンダ陣営を引っ張るエースチームのひとつに数えられた。また、GT300クラスにもARTAとして参戦しており、今シーズンはBMW M6 GT3でシリーズを戦っている。

 しかし、GT500クラスでは2013年の第4戦・SUGOでの優勝を最後に、表彰台から遠ざかるレースが続いていた。特に大幅な規定変更に伴い、2014年からNSX CONCEPT-GTにマシンをスイッチすると、上位に食い込むことすら難しいほど苦戦を強いられてしまう。結果の出ないレースが続いた時期は、亜久里監督も心労が重なったという。

 そんななかで迎えた今シーズンは「ARTA設立20周年」という節目の年。GT500クラスのドライバーは、このプロジェクトで育ち、国内トップカテゴリーで活躍するようになった野尻智紀/小林崇志のふたりに託した。

 開幕戦・岡山では目まぐるしく変わる天気を味方につけてポールポジションを獲得するも、決勝は電気系部品のトラブルで早々にリタイア。第4戦・SUGOでも今季2度目のポールポジションを手にするが、決勝は5位でフィニッシュ。ともに予選の優位を生かすことができず、悔しい結果に終わっていた。

 それでも彼らはあきらめることなく挑み続け、第5戦・富士でまたも予選トップの座を奪取する。そして決勝では終盤、ライバルに背後まで迫られたものの、最後は再び後続を引き離して本来の速さを発揮。見事、GT500クラスで実に4年ぶりとなる優勝を飾った。

 さらにGT300クラスでも、ARTAの55号車がポールポジションからレースをリードし、2016年の第5戦・富士以来となる勝利。スーパーGT史上初となる「同一チームによる両クラスでのポール・トゥ・ウィン」という快挙を達成し、レース直後のパルクフェルメでは亜久里監督が満面の笑みでドライバーたちを迎え入れた。

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