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【旅たび、ゴルフのちょっと“ラフ”な話】カップの直径が108ミリというのは偶然の産物

8/10(木) 15:30配信

旅行読売

 大きくもなく、小さくもない。グリーン上に開けられた「穴」を絶妙な大きさと感じたことはないだろうか? そんな「穴」(カップ)の実寸は、ゴルフ規則によって直径108ミリと決められている。実に中途半端な寸法ではあるが、1891年の正式決定から現在まで、そのサイズは1度も変更されたことがない。いかにこの寸法が絶妙かを物語るものだ。
 その昔はコースやホールによって大きさはバラバラ。いわば、コース管理者が“その日の気分”で空けていたのだが、これまで様々なドラマを生んできたこの大きさは意外な理由で決まった。
 当時はまだティーペッグなどというものが発明されておらず、プレーヤーはティーグラウンド付近の砂や土をかき集めて盛り上げ、そこにボールを載せてティーショットしていた。しかし、次のホールのティーグラウンドがグリーンに隣接していたため、周りに土は無く、簡単に砂や土が手に入る場所はホールアウトしたばかりの穴だった。
 そのためプレーヤーが次から次に土を削って持って行ってしまうので穴はどんどん広がってしまうのが常だった。

 そんな時、ゴルフの聖地セントアンドリュースのコース管理を任されていたのが全英オープン4度優勝のトム・モリス。「どうすれば穴が崩れずに済むか」と悩んでいたある日、たまたまグリーン近くに排水工事で使った排水管の切れ端が転がっていた。これに目を付けたモリスは、試しに穴に差し込んだところこれがほぼピッタリ。この管の内径が4.25インチ、つまり108ミリだった。空けた穴にすっぽり入ったのだから、排水管の厚さを考慮すれば、それまでの穴は現在よりやや大きかったと推測される。
 このモリスのアイデアはすぐに周辺のコースにも広がって一般的になり、R&A(全英ゴルフ協会)は正式にカップ内径をこの寸法に定めた。もし、モリスが違うサイズの排水管を使っていたら、ゴルフはこれほど発展しなかったかもしれない。

スポーツライター・古賀敬之

最終更新:8/10(木) 15:30
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