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温暖化で6万人弱が自殺と推算、インド、30年間で

8/10(木) 16:34配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

農業への影響大きく、自殺に追い込まれる窮状訴えるデモも

 気候変動の影響に苦しむインドの農場主たちが経済的救済を求めてデモを行い、そこで驚愕の小道具を持ち出してきた。多額の借金を抱えて自殺した農場主たちの頭蓋骨だ。

 未曽有の大干ばつに見舞われているインド南部のタミル・ナードゥ州からやってきた農場主たちは、2017年の2度目の抗議デモで、多額の借金に苦しめられて自殺に追い込まれている農場主たちの現状を訴えた。州の国家人権委員会によると、タミル・ナードゥでは、2017年1月だけで100人の農場主が自殺したという。インド国家犯罪統計局の最終的な推定では、2015年に自殺した農場主および農業労働者は 1万2600人とされている。

 自殺者の数が世界全体の5分の1にのぼるインドでは、農場主の自殺が数多く記録されている。2014年のものだが、インドの農場主の自殺は平均すると30分に1回起きているという調査もある。2011年に行われた国勢調査では、農場主の自殺率は国の平均と比較して47%高かった。

 デモ参加者は、多額の借金のせいで自殺率が異常に高くなっていると訴えた。米国営の国際放送局「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」のインタビューに応えたある女性の夫は、銀行から借りた1250ドルを返済できずに自殺したという。デモ参加者たちは、ローンの免除や農作物の買取価格の改善などを求めた。

状況は悪くなるばかり

 インドの農場主は、予測が難しい農作物の収穫高や社会的セーフティネットがないことに長年苦しめられてきた。そのうえ、最近になって地球温暖化が状況を悪化させていることを示唆する報告も発表された。

 7月31日付けの科学誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された論文は、この種の研究としては初めてのもので、過去30年間のデータから、5万9300人の自殺が気候変動と関連すると推算している。

 米カリフォルニア大学バークレー校の研究者タマ・カールトン氏は、高い気温と雨不足が何年も続いた地域で農作物の収穫量が減少し、同時に自殺率も上昇していることを発見した。

 カールトン氏は、インドの32の州で1967年~2013年までの国家犯罪統計局の記録、そして農作物収穫高の統計、高解像度の気候データを収集し、分析した。作物の収穫量に最も影響する6月から9月に注目すると、厳しい気候変動と自殺者の数が関係していることを突き止めた。

「作物の収穫量と自殺率に、気温が何よりも影響を与えていたのです」。カールトン氏は、ナショナル ジオグラフィックのインタビューでそう語った。気温が20℃を超える地域で、1日の平均気温が1℃上昇すると自殺が新たに平均70件発生することを、データは示している。この現象は、農作物が成長段階にあり、高い気温のダメージを最も受けやすい時期にのみ見られる。

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