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本田の問題提起が拡散していないのは残念!とセルジオ越後「S級ライセンスさえ取れば、いい指導者になれるわけじゃない」

8/10(木) 11:00配信

週プレNEWS

現役選手の彼がなぜ今、声を上げたのか。狙いや意図はわからない。ものすごく唐突。でも、共感する部分もあるし、議論のきっかけになればいい。

先日、メキシコに移籍した本田圭佑が自身のツイッターで「サッカーの指導ライセンスについて」と題して、持論を展開した。その内容は「指導テストなど別に必要ない。必要最低限のルールテストで合格すればS級を渡すべきで、そのほうが絶対にサッカー界にとって有益なんです。そもそも指導法に正解なんてないんですから。1人では何も変えられないので皆でルールを変えましょうよ」というもの。

日本サッカー協会が公認する指導者ライセンスは、少年サッカーを指導するC級などから、Jリーグのクラブや日本代表の監督を務められるS級まで、細かく分けられている。

なかでも最もハードルが高いのが最高位のS級。これまでに450人以上が取得しているんだけど、3度の短期研修をはじめ、講習会やインターンシップ(海外プログラム2週間以上、Jリーグクラブ1週間以上の実地研修とリポート提出)などがあり、受講には約1年の期間を要する。また、費用は交通費、宿泊費などの経費を含めれば、軽く100万円以上かかるといわれる。

このS級については、本田に限らず以前から「もっと簡略化すべき」「画一化されすぎ」といった声があった。個人的にも、最低限の講習などは必要だと思うけど、時間とお金がかかりすぎると感じていた。何より皆が同じサッカーを学び、意識するあまり、昔よりも個性的な選手が出てこなくなった印象がある。実際、協会批判になるから公には言わないだけで、S級保持者の中にも同じことを言っている人はたくさんいる。

また、苦労して資格を取っても、監督としての仕事が保証されるわけじゃない。S級を取っても、チームの指導をずっとやっていない人はたくさんいる。運転免許を持っているのに、車を持っていないようなものだよね。ほかにも、性格的に明らかに監督に向いていない人もいる。なかには、解説者をやっているのに協会に批判的な内容の話は一切せず、いつも無難な話ばかりする人もいる。なんのためのライセンスなのかなと思うことはよくある。


ただ、その一方で、今のライセンス制度に満足している人がたくさんいるのも事実。僕の知人のS級保持者は、サッカースクールで地方に行く際、水戸黄門の印籠(いんろう)のようにライセンスを持ち歩いていた。笑っちゃうよね。僕が「S級を持っていても、監督のオファーが来ないからムダだな」とツッコんだら、少しムッとしていたけど。

でも、日本は学校教育もそうだけど、「上に従う社会」だから、指導の現場でライセンスを見せると、なんの疑問も抱かれずに「おー、スゴい」となる。そうやって形にこだわるのは、いかにも日本らしいし、日本の文化ということなのだろう。

もちろん、サッカーの勉強をするのは素晴らしいこと。でも、S級さえ取れば、誰でもいい指導者になれるわけじゃない。ライセンスを絶対視する風潮には違和感を覚えるね。

今回の本田の問題提起があまり拡散していないのは残念。彼の言うように、サッカーの指導法に正解はないのだから、常に問題意識を持って、オープンな議論をして、ダメな部分はどんどん変えていけばいいと思う。

(構成/渡辺達也)

最終更新:8/10(木) 11:00
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