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40代独身男は「理想の男性像」に滅ぼされる

8/10(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 10~44歳までの男性の死因の第1位が「自殺」という事実を、ご存じでしょうか?  がん(悪性新生物)でも心疾患でも交通事故でもないのです。45~49歳でも2位ですし、50~54歳でも3位に入ります。表は2015年のデータですが、すくなくとも2007年からはずっとこの傾向が続いています。

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■2003年に独身男性が既婚男性の自殺者数を超える

 なお、日本人全体の自殺者数自体は減り続けています。

 政府が発表した2017年版の「自殺対策白書」によれば、2016年の自殺者数は前年より8.9%減の2万1897人。7年連続の減少です。1997年に銀行や大手証券会社が破綻した影響などがあり、自殺者は1998年から急激に増加して3万人を超えました。以降、14年連続で3万人を超えていましたが、徐々に一服、2万2000人を下回ったのは22年ぶりのことになります。それでも、いまだに毎日60人が自殺している状況は深刻ですし、日本人男性を死に追いやっている最大の原因が自殺である状況は変わっていません。

 さらに、自殺者数の長期的な推移を見ると、気になる点があります。ひとつは、男性の自殺者のうち、2003年を契機に有配偶者よりも独身者(未婚、離別、死別合計)のほうが多くなっているということです。

 実は、女性の自殺はかねてから独身者のほうが多いのですが、これは未婚者というよりも、夫と死別した高齢の独身者が多いことによります。ただ、男性の場合は、年代別に見ると40代が4年連続で最も多くなっています。

■40代独身男性の自殺は、なぜ多いのか? 

40代独身の男たちの自殺は、なぜ多いのでしょうか?  私たちは、「不幸な結果には不幸な要因があるはずだ」と短絡的に考えてしまいがちです。「40代独身者が『幸せになれない』根本原因」という記事でもご紹介したように、既婚者より未婚者のほうが不幸度が高く、特に40代未婚男性の不幸度が最も高いという統計はあります。ただ、不幸度の高さが自殺者数に直結するとはいえません。

 また、仕事を失った男性が自殺するからだ、というのも一面的な見方です。確かに、男性の自殺者を全年代で見てみると、6割が無職者です。ただ、これは60代以上の退職者が多く含まれているためです。実は、自殺をした40代男性のうち、無職者の割合は38%にすぎません(2016年版「自殺対策白書」より)。つまり、リストラや失業を経験したわけではなく、ちゃんと企業で働いている状態のままで自殺する40代男性が多いということです。

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