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ジャパンディスプレイ、4期連続赤字で孤立

8/10(木) 6:00配信

東洋経済オンライン

 「ここまで大変だとは思っていなかった」――。8月9日に行われた、液晶メーカー大手・ジャパンディスプレイ(以下、JDI)の第1四半期(2017年4月~6月期)決算会見。6月に就任したばかりの東入來信博(ひがしいりき・のぶひろ)会長兼CEOは、そう心情を吐露した。

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 それもそのはずだ。2016年度は3期連続の最終赤字に沈んだJDIだが、今期も苦しい状況に立たされている。

 第1四半期は売上高が1885億円(前年同期比108%)、営業赤字は144億円となった(前年同期は34億円の営業赤字)。最大顧客のアップル・iPhone向け販売が前年同期に比べ伸びたため増収となったものの、昨年末に稼働した新工場の固定費増などにより赤字が拡大した。

■4期連続赤字は避けられない

 業績低迷を受け、決算と同時に構造改革も発表。スマホ用液晶パネルを製造する能見工場を年内をメドに生産停止し(将来的に有機ELパネル製造拠点としての活用を検討)、国内外で3700人規模の人員削減に着手する考えを明らかにした。それに伴い、2017年度に構造改革費用として特別損失を約1700億円計上する見通しのため、4期連続赤字は避けられない状況だ。

 リストラには早期退職者への割増退職金なども必要となるが、その資金を捻出するため、今回JDIは銀行からの融資枠を1070億円に拡大する契約を締結している。

 そもそもJDIは「運転資金として現預金は月商の2カ月程度は必要」(有賀修二社長)というが、6月末時点での現預金残高は609億円。ただでさえ月商2カ月分の約1500億円に程遠い中、資金をショートさせずリストラを実行するには、借り入れに頼る必要があったのだ。

 ただ、赤字のJDIへの融資を銀行が無条件で許容するわけもなく、JDIの筆頭株主で政府系ファンドの産業革新機構(以下、革新機構)が連帯保証する形をとっている。

 昨年12月にJDIが資金繰りに窮した際も、革新機構は750億円(300億円が劣後特約付借入、450億円が新株予約権付社債)の追加出資を実施。しかし、革新機構はあくまで産業にイノベーションをもたらす企業などに出資するのがその使命だ。一民間企業であるJDIの救済に公的資金を投下するのは建前上難しいため、有機ELの開発という名目を用意し、批判回避を狙った経緯がある。

 革新機構は今回の支援に対して「今般、策定されたJDIの構造改革プランは、JDIの持続ある成長への不退転の決意を示すものであり、革新機構としてその完遂を支援するとともに、必要な資金の調達についても債務保証という形で支援を行うことを決定しました」とのコメントを発表している。

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