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取材の動機は私的なもの―6人のノンフィクションライターが語る「なぜ取材するのか」【編著者インタビュー】

8/10(木) 11:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 ノンフィクションライターの藤井誠二さんによる『僕たちはなぜ取材するのか』(藤井誠二:編著、中原一歩、上原善広、安田浩一、尹雄大、土方宏史、森達也:著/皓星社)は、6人のライターやディレクターの取材についての思いや、仕事の進め方が対談形式で語られている。2016年に公開された映画『ヤクザと憲法』を監督した土方宏史さんのみ東海テレビの社員だが、森達也さんや上原善広さんなど5人はいずれも、フリーランスの立場で執筆を続けている。彼らは時に罵倒されながら、時に安くはない自腹を切りながら、果敢に取材対象に向かっている。そんな6人を取材した藤井さんに、「なぜ取材をするのか」を伺った。

執筆のために、年間20万円近く自腹を切ることも

 「これは僕の『Yahoo!個人』の随時掲載を加筆修正してまとめたもので、最初は本にしようとは考えていなかったんです。知人のノンフィクションライターが新刊を出すたびに話を聞いてきたんですが、内容そのものについてよりも、どうやって対象を探してどう取材を進めてきたかに関心があって。僕は『作り手の視点』を知りたいんです」

 なぜ取材過程を知りたいと思うのか。それを聞いて、自身も取り入れてみようと思ったのだろうか?

 「聞いた話を僕の血肉にしたい部分もありますが、どういう動機づけをしてどんな手順で取材を進めたかを聞くほうが、人となりが出やすい気がするんです。そして読者の方(かた)も、取材の裏話には興味があるのではないかと思ったんです。というのも以前、週刊誌のノンフィクション連載をテーマにしたイベントを聞きに行ったら、まさかの満席。客席にいたおっさんたちが、キラキラしながら登壇者の話に聞き入っていたんです(笑)。でも確かに人の苦労話って面白いじゃないですか。以前僕もクラウドファンディングのお礼イベントで、取材ノートを公開したら集まった人が皆興味津々で。もちろん話せないこともありますが、『こういう風に取材を進めました』という悲喜こもごもを公開することは、書き手の信頼度にもつながる気がします」

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