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早期退職男性「退職金上乗せ」でも見通し甘くバイト開始

8/11(金) 17:00配信

マネーポストWEB

 政府は、「年金の75歳受給開始」に向けた検討を進めている。実際、内閣府の有識者会議「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会」では、年金受給開始年齢の「75歳選択制」を盛り込み、年内にも閣議決定する方針を打ち出した。だが、もし「75歳受給」となれば、多くの高齢者は家計破綻の危機に直面する。

 総務省の家計調査(2016年)によると、高齢者の1か月の平均生活費(2人以上世帯)は、世帯主が60代後半の世帯で約27万円、70代前半世帯で約25万円。単純計算で、65~74歳までの10年間に3000万円超が必要で、退職金や預貯金などで足りない分は、「老体に鞭打って自分で稼げ」と言っているわけである。

 現行の制度(65歳受給開始)でさえも、無理が生じている現実がある。近畿地方で中学教員をしていた男性(63歳)はこう話す。

「早期退職すれば2000万円の退職金に300万円が上乗せされるので、60歳直前で退職しました。預金が1000万円弱あったので、退職金と合わせて約3300万円。家内に聞くと毎月の生活費は20万円というので、6年間は無収入でも十分にしのげると思った。

 ところが20万円というのは最低ラインで、家電が壊れたとか自動車の車検とか臨時支出が頻繁にある。子供たちが家族で遊びに来れば数万円が飛んでいく。預金はどんどん目減りしていく。退職1年目にして、このままでは貯金が底を尽くとわかり、アルバイトを始めました。たった300万円のために早期退職したことを悔やんでいます」

 そうした無収入・無年金の期間が10年となれば、“脱落者”が激増することは火を見るより明らかだ。

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

最終更新:8/11(金) 17:00
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