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問題作『純と愛』から5年 遊川和彦氏の毒親の描き方に変化

8/11(金) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 毎回、視聴率10%以上を記録し、好調が続くドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)。脚本を務めるのは、数々のヒットドラマを手掛けてきた遊川和彦氏。遊川氏は、2012年のNHK連続テレビ小説『純と愛』をはじめとして数多くの問題作を手掛けてきたが、今作の脚本には今までの描き方と大きな変化が見られるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

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 現代親子の関係性を描いた『過保護のカホコ』が話題を集めています。

 同作の実質的な主役は2人。1人目はヒロイン・加穂子を演じる高畑充希さんで、極端な箱入り娘をユーモアたっぷりに演じています。

 2人目は脚本の遊川和彦さん。これまで『幸福の王子』『女王の教室』『家政婦のミタ』『〇〇妻』(いずれも日本テレビ系)などの過激な筋書きで物議を醸してきましたが、実は昨年あたりから作風に変化が見られています。

 昨夏に特別養子縁組をテーマにした『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系)、今年1月に監督を兼任した映画『恋妻家宮本』は、ともに過激さのないハートフルな物語でした。

 そして、親子の関係性を描く今作でも、かつて『純と愛』(NHK)で見せたような過激な筋書きは影を潜めています。

◆「自分が子どもっぽい」から怒る毒親

『純と愛』は、ヒロイン・純(夏菜)の勤務先が買収や火事に遭い、思い入れのある実家のホテルが売却され、母親・晴海(森下洋子)が認知症になり、父親・善行(武田鉄矢)も海に落ちて死亡。さらに夫・愛(風間俊介)が脳腫瘍を患い、昏睡状態のまま幕を閉じるなどのショッキングな展開が続いて「問題作」と言われました。

 救いのない物語の中でも視聴者の批判が多かったのは、善行のキャラクター。義父から継いだホテルの経営に失敗して借金を増やしたあげく、家族をだまして自宅ともども売却してしまう。客や取引先にペコペコする反面、頑固さとプライドの高さは人一倍。子どもたちの言葉に耳を傾けず、すべて否定と説教で返す、という強烈な毒親でした。

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