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日本が先導する次世代軽量素材「セルロースナノファイバー」とは?

8/11(金) 7:30配信

@DIME

軽量で応用性に優れた素材として注目を集める『セルロースナノファイバー』。パルプを原料とするこのバイオマス素材の実用化は、暮らしの上質化だけでなく、国土の7割を森林が占める日本が資源大国となるチャンスでもある。次世代素材の今を追った。

【写真】日本が先導する次世代軽量素材「セルロースナノファイバー」とは?

 平成29年度政府予算案にも関連予算が計上された『セルロースナノファイバー(CNF)』。世界初の商品が一般向けに次々と登場し、開発競争に火がつき始めている。とはいえ、現状は開発途上の段階。さらなる実用化は我々の生活にどのようなメリットをもたらすのか。日本製紙でCNF研究を指揮する河崎雅行さんに話を聞いた。

◎食品や家電への波及は国際標準作りが鍵に

「CNFは2000年頃から国内外の大学や公的研究機関で研究されるようになりました。2014年にCNF研究開発促進の一文が日本再興戦略に盛り込まれたことで、製紙会社を中心に官民体制での開発が本格化しました。現在、開発プラント数は日本が世界最多。CNF分野における先進国のひとつだと言えます。

 ただ、さらに実用化を押し進めるには課題もあります。生産コストを下げることも重要ですが、実用化で大事なのは国際標準の確立です。安全性の評価や工業素材として製品規格が普及への近道になるからです。現時点でCNFに期待されている用途は、食品や化粧品などの添加剤、ゴムや樹脂の剛性を高める補強材、ガスバリア材などの機能性シート。弊社ではイオン特性を生かした消臭力の高いおむつのほかに、ガラスに代わる軽量で弾性の高いディスプレイへの利用も検討しています」

 2020年に向けてCNFを使ったコンセプトカーの開発が進められているというから可能性は計かり知れない。CNFのキーワードは今後も要チェックだ。

《セルロースナノファイバーとは?》

製紙用パルプを機械的・科学的に処理。ナノサイズ(毛髪の1/1万倍)にまでほぐした極微細のバイオマス素材のこと。

《こんな物質特性が!》

様々な用途が期待されているCNFだが、理由は多彩な物質特性にあった。その一部を紹介。

樹脂素材がさらに強く
一番上がCNF配合。中央のカーボンブラックよりも強度が高いのがわかる。

熱変性が低く透明度が高い
熱の影響を受けにくく、透明にもなる。ガラスに代わる素材への期待も!

粘度調整が自由自在!
流動と静置で粘性が変化。沈殿しにくい性質で溶け残りのないココアも実現!?

【続々と登場しているCNF商品】

●CNFの軽量&剛性が音質を向上させる

オンキヨー『セプター SC-3』
オープン価格(実勢価格約30万円/1台)

振動板の素材・パルプに使用。パルプ繊維の結合を強め、さらなる迫力と臨場感を再現。

●振動板が強化され再生音域が拡大

パイオニア『SE-MONITOR5』
オープン価格(実勢価格約10万円)

振動板にCNFを使用した独自開発のドライバーを搭載。ダイナミックレンジの広い再生を実現している。

●粘度特性を高め、かすれ文字を防ぐ

三菱鉛筆『ユニボール シグノ 307』
オープン価格(実勢価格・各約200円)

インク増粘剤にCNFを配合したゲルインクボールペン。速書きしてもかすれにくくなめらかな書き味。

●CNFの極細繊維でナノ汚れを吸着!

大王製紙『エリエール キレキラ! ナノEX』
オープン価格(実勢価格約300円)

軽くて強く、繊維が細かいCNFの特性を応用。ニオイの発生源になる目に見えない細かい汚れもキャッチする。

●負イオンの利用で消臭抗菌力アップ

日本製紙クレシア『肌ケア アクティ ふんわりフィット』
オープン価格(実勢価格約5688円~)

消臭抗菌シートにCNFを配合した大人用紙おむつ。消臭に働く銀イオンを担持することで消臭力をアップさせた。

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:8/11(金) 7:30
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