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五輪の空手「全8種目で金メダル」なるか。世界大会に見る日本の実力

8/11(金) 17:10配信

webスポルティーバ

 空手界に朗報が届いたのは2016年8月のことだった。五輪開幕直前のリオデジャネイロで行なわれたIOC(国際オリンピック委員会)総会で、野球・ソフトボール、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングとともに、2020年東京五輪限定での追加種目に認定されたのだ。

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 早朝の東京・日本空手道会館には関係者や選手が集まって、多くの報道陣とともに総会の中継映像を固唾を飲んで見守り、リアルタイムで歓喜の瞬間を迎えた。栗原茂夫全日本空手連盟副会長は「あとから嬉しさがきたよね」と、長年の努力の結実をかみしめた。

 五輪と空手との関わりは約30年前にさかのぼる。1985年、当時の世界空手連合がIOC から加盟の承認を受ける。その後、流派の違いによる団体間のトラブルによりIOCから外れることもあったが、1991年にIOCから再承認を受けると、2005 年に初めて北京五輪の種目を目指して立候補した。その北京五輪と続くロンドン五輪、リオ五輪では採用されず、ようやく東京五輪で悲願成就。世界的には柔道をしのぐ競技人口を持つとも言われる空手にとって、歴史的な出来事だった。

 空手の主要な国際大会といえば、まずは2年ごとに行なわれる世界選手権が挙げられる。次いで4年ごとに行なわれる非五輪種目の国際総合競技大会、ワールドゲームズ。また、世界空手連盟(WKF)が主催する、世界を転戦するツアー形式の「karate1プレミアリーグ」(2017年は5大会)も重要な大会のひとつだ。 

 今年に限れば、最も大きな大会は7月にポーランドのヴロツワフで行なわれたワールドゲームズ。日本から7選手が出場し、金メダル4、銀メダル2、銅メダル1と、全員がメダルを獲得する活躍を見せた。

 ワールドゲームズでは、本番である東京五輪に近い試合方式が採用された。1階級8人(五輪では10人)が2組に分かれて総当たりのリーグ戦を行ない、各組上位2人ずつがトーナメントで戦う方式だ。「総当たりをやってトーナメントやって、イメージとしては(五輪は)こんな感じになるのかなと思っています」と林晃監督が言うように、日本チームは勝負以外にも、本番のイメージをつかむという明確な目的を持ってこの大会に臨んでいた。

 ワールドゲームズでのメダル獲得数からわかるように、現在、日本は強豪国の筆頭に挙げられる。特に「形(かた)」は、男子の喜友名(きゆな)諒、女子の清水希容(きよう)がともに世界選手権で2連覇中。ワールドゲームズでも圧倒的な強さで優勝している。

「形」は1人ずつ演武を行なって、5人のジャッジが旗をどちらに上げるかを競う。喜友名は全ての試合で5本の旗を取って完勝。清水も1次リーグでスペインの選手との試合で2本の旗を取られ、同じ選手と対戦した決勝で1本の旗を取られただけだった。

 とはいえ、彼らが背負うのは単なる勝負を超えたものだ。清水が説明する。

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