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人生には、きっと特別な1枚がある――Tシャツに染みついた思い出を持ち主が語る『捨てられないTシャツ』

8/11(金) 18:00配信

ダ・ヴィンチニュース

 とくにオシャレなデザインでもなければ、高価なブランドものでもない。一見すればただのボロだけど、その持ち主にとっては、大切な思い出が染みついた、特別な1枚……。そんなTシャツを紹介する『捨てられないTシャツ』(都築響一:編/筑摩書房)は、総勢70枚のTシャツの持ち主が、それにまつわる思い出を綴った“Tシャツエッセイ本”。

 本書に登場する、まさに涙あり笑いあり、山あり谷ありのエピソードを読めば、まるでそのTシャツが、その持ち主の人生を体現するもののように思えてくるはず。Tシャツの持ち主のなかには、かなり有名なあの人では? と思わせるものも。全員、あくまで匿名なので、あれこれ憶測するのも楽しい。今回は、そのほんの一部を紹介します。

血を流し、互いの健闘を讃え合ったTシャツ

●ジョーイ・ラモーン
◎42歳女性
◎バー経営
◎神奈川県出身

 ライブハウスに通い詰めた高校生時代に、アメリカのパンク・ロックバンド、ラモーンズのライブに参加したという、このTシャツの持ち主。ライブ中、あまりにテンションが上ってしまい、モッシュとダイブを連発。前の客が着ていたライダースの鋲にアゴを直撃し、流血沙汰に……。

しかし本人はどうかしていたので、まったく痛みを感じず、気づかないまま着地失敗……と思いながら起き上がり、ステージのジョーイ・ラモーンを見上げたら、ジョーイが真っ青な顔に。(略)ステージからジョーイが手を伸ばしてくれ、その手を掴んでステージに上がり、他のメンバーに頭下げながらソデに引っ込んで、待機していた救急車に乗車。
 運び込まれた病院で5針を縫った持ち主は、その後全速力でライブ会場へ戻り、果敢に最前列へ。

ジョーイが肩車されてる私を指さした。「ここにパンクベイビーがいる。エキサイトし過ぎて運ばれちゃったパンクベイビー。ベイビーがいない時にやった「rock ‘n’ roll radio」をもう一度やってもいいかい?」とMC。会場大盛り上がり。当然私も大盛り上がり。
 次の瞬間、ジョーイは着ていたTシャツを脱ぎ、持ち主に差し出した。持ち主もそれに応え、血のついたTシャツを脱いでブラ1枚になり、互いの健闘を讃え合うかのように、Tシャツを交換したという。

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ダ・ヴィンチ

株式会社KADOKAWA

2017年11月号
10月6日発売

特別定価​690円(税込)

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