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池上彰氏「テレワーク時代には『共感力』が重要」

8/12(土) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 今夏から政府は7月24日を「テレワークの日(テレワーク・デイ)」と名付け、企業や官公庁で職場以外の勤務を促す試みを始めた。「働き方改革」の一環であると同時に、東京オリンピックが開催される2020年までに通勤時間帯の交通機関の混雑緩和を図る目的だ。話題の新刊『もっとやりたい仕事がある!』(小学館刊)を上梓したジャーナリストの池上彰氏は、同書の中でテレワーク時代に求められる能力について解説している。

 情報通信技術(ICT)の発達により、人々の働き方はより自由になると予想されている。スマートフォンは単なる携帯電話ではなく、時間と場所に縛られない生き方を保証する拠点にもなる。
 
〈AI(人工知能)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、GPS(全地球測位システム)を用いた位置情報などの技術がスマートフォンに集約された状態を「スマホ・セントリック」といいます。

 スマホ・セントリックな環境は、「働く場所」を変えました。スマホやパソコンがあれば、“いつでもどこでも”働けるため、時間と場所にとらわれない「テレワーク」や「サテライトオフィス」「在宅勤務」などを採用する企業も増えています。いまでは、職種によっては一般企業の正社員でもフリーランスと同様の働き方ができます。

 いわゆる「ノマド(遊牧民)・ワーカー」と呼ばれる人はさらに増えていくでしょう。会社の建物の中にいなくても仕事ができることを遊牧民にたとえたのです。〉

 スマホ1台あれば、世界のどこにいてもすぐに仕事ができる時代──。しかし、それはメリットばかりではないという。

◆人と人の“化学反応”の重要性

〈女性の活躍にとっても、テレワークは追い風になります。高速インターネットを通じて世界中どこでもテレビ会議をすることが可能になり、自宅で子育てをしながら会社の意思決定に参加したり、部下に指示を出したりすることができるのです。

 しかし、ここにも落とし穴があります。テレワークを行なうと、会社という組織の中で上司や部下、同僚と直接的に触れ合う機会が減り、オフィスでの何気ない会話や偶然の交流がなくなります。すると、ちょっとしたコミュニケーションで“化学反応”が起き、アイデアやひらめきが生まれる──といった機会まで失われてしまいます。

 人間、一人の力で思いつくことのできるものはたかが知れています。便利で効率的な時代になればなるほど、他者との交流やアナログ的な価値が再認識されるのです。〉

 その上で、池上氏は「共感力」に着目し、同書の中でその能力を養うための方法を提案している。

 就職・転職に臨む学生たちや社会人にも、この「池上解説」を大いに参考にしてほしい。