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盆踊りの哲学――政治学者・栗原康インタビュー#1

8/12(土) 17:00配信

文春オンライン

盆踊りの季節がやってきました。アナキズム(無政府主義)研究が専門で、みずからもアナキストを名乗る政治学者・栗原康さんは、「デモよりもっとすごい盆踊り大会がある」と聞きつけて、盆踊りにハマって以来、約10年ものあいだ毎年通っているそうです。いったい盆踊りのなにがそんなにヤバいのか? 盆踊りのルーツは? 盆踊り大会でひと踊りしたあとの栗原さんに、居酒屋でビールを飲みながらお話を伺いました。

◆◆◆

「普段から付き合いはない」という感覚すらもとろけちゃう

―― 盆踊り大会、お疲れさまでした! 結構いい運動になりますね(笑)。

栗原 そうなんですよ。やぐらのまわりを3周もすると汗がふきだします(笑)。プハー。ビールがうまいなあ。

―― 栗原さんは“盆踊りが好き”というお話は以前から伺っていたんですが、きょう初めて拝見して、栗原さんの踊りって、動きがやわらかいですね。

栗原 ありがとうございます。盆踊りには独特のやわらかさがあると思います。踊りって不思議なもので、普段だと絶対あんな体の使い方しないですからね。もうちょっと、直線的な動きをするじゃないですか、ひとって。仕事しているとき、こんな風に手のひらをヒラヒラさせて、体をグニャグニャさせていたら、ぶん殴られますから(笑)。

―― 無駄な動きですもんね(笑)。あと、結構地元の方が優しいというか、「踊りたいな~」と思って輪に近寄る人にスッと場所を空けてくれる雰囲気がありました。

栗原 そうですね。僕は地元が埼玉県の東武動物公園なんですが、小さいときは親に連れられて、近所の盆踊り大会に行っていました。人見知りで緊張する方なので、輪に入る前はちょっとドキドキしてましたね。やっぱり人目を気にするじゃないですか。

―― 確かに。誰が見てるわけでもないけど、ちょっと気恥ずかしいです。

栗原 ただ輪に入っちゃうと、盆踊りって不思議なもので、夢中になってやってしまう。踊り始めるとヘタクソも関係ないというか。体の感覚としても、知らないひとの間で踊っていることすらわすれちゃう。トランス状態になって、我をわすれるんですよね。「このひとたちとは普段から付き合いはない」という感覚すらもとろけちゃうんです。そういう意味でも、やわらかくなっている。

―― 栗原さんが、盆踊りにハマるきっかけって何だったんですか?

栗原 僕は2009年頃、8月の終わりに錦糸町でやっている「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」(今年は8月30日、31日に開催予定)に友人に誘ってもらったのがきっかけでした。その友人から、毎年、アナキストがたくさんきていて、「デモよりもっとすごいのがあるぞ」って教えてもらったんです。

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最終更新:8/21(月) 12:45
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