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「カラフルだし」で冷蔵庫スッキリ!<夏こそスッキリ!>

8/12(土) 6:01配信

幻冬舎plus

「べき」を脱ぎ捨て、身軽になって

 お暑うございます。
 夏のこういう季節は、いろいろなことがすっきりいたしません。
 何かにつけ、億劫でやる気が起きず、ついだらだらとしてしまいます。

 やる気は起きませんが、日々、処理しなければならない物事を、投げ出してしまうわけにも行かず、私は精一杯手を抜いて、取り組んでおります。

 「べき」思考をやめましょう、と精神科の主治医に言われたことがあります。以前、私が心身のバランスを崩して、通院していた時のことです。
 こうある「べき」、と考えることをやめましょう。なぜなら、それは、世の中があなたに求めているあり方であって、あなたが心から望んでいるあり方ではありません。
 自分はこうありたい、と思うことをもっと大切にしましょう。
 
 主婦はきちんと家事をこなすべき、サラリーマンは会社のために粉骨砕身働くべき。
 「べき」である、となった途端に、すべてのことが、非常に抑圧的な響きを持ち始めます。
 愛する人のために家事をする、やり甲斐のある仕事に打ち込む、というのがそもそもの、モチベーションだったのではないでしょうか。

 今、自分がなぜ、それをしているのか。誰のために、それをしているのか。
 それを見失ってしまうと、人生は生きづらいものになって行くような気がいたします。

 「べき」という考え方はどこか、なんだか暑苦しい気がいたします。ただでさえ暑い、この時期には、「べき」を脱ぎ捨てて、少し身軽になってみてはいかがでしょうか。

 さて、暑いけれど、やる気は起きないけれど、毎日の食事はスキップすることができません。 
 料理を趣味のようにして、暮らしている私ですが、それでも時々、キッチンに立つのが面倒になります。
 そんな時は、出来合いのものをうまく利用したり、手間のかからない料理を試みたりいたします。
 キッチンというのは熱がこもる場所なので、この季節は、煮炊きが少なく済むような作り方を模索することも必要となって来ます。
 食欲の落ちる時期ですので、さっぱりと美味しく、見た目もすっきりと美しい料理を心がけることも大切なのではないか、と思います。

 冷蔵庫を開けると、使い残しの食材や、そろそろ駄目になってしまいそうなあれこれが目に入り、気が重くなってしまうような時がございます。

 私は、肉や魚はなるべくシンプルに焼いて、味付けも、塩胡椒や醤油などの基本的なもので済ませ、どんどん食べてしまいます。
 
 使い切れそうにない野菜は、「カラフルだし」にします。

 冷蔵庫の野菜室に残っている野菜を、基本的に何もかも入れてしまうという、私のこの創作料理は、山形だし、のバリエーションのようなものです。
 さまざまな野菜で、通常の山形だしに比べ、出来上りの色合いが、楽しくカラフルになりますので、「カラフルだし」と名付けました。
 
 「カラフルだし」の作り方をご披露いたしましょう。

 とにかく、すべてを刻み、混ぜる、というだけの簡単な作業で、美味しくて、応用の利く一品が出来上がります。

 今日、我が家の野菜室に残っていた野菜は、次のようなライン・アップでした。
 長葱、人参、茄子、胡瓜、ピーマン、ミニトマト、キャベツ、玉葱、春菊、茗荷、大葉。

 これらを、みんな使ってしまいます。

 基本となる素材は、茄子と胡瓜です。
 この二つは、ベースとして重要な気がいたしますが、それ以外は、何でも入れて、試してみてください。但し、生食できる野菜に限ります。
 野菜の種類を多く、入れなければいけないわけでもありません。あるものを好きなだけ、入れればよいのです。

 まず、野菜を刻みます。茄子や胡瓜・人参などは、縦割りに4つにし、銀杏型に切ります。葉物はそれぞれ、適当なサイズに刻みます。

 味付けの基本は昆布です。私は大体、塩昆布をメインに使いますが、細切り昆布、とろろ昆布などでもいいですし、昆布茶のパウダーでも構いません。粘りがある方がお好きな方は、納豆昆布などを使い、さらさらしている方がお好きであれば、粘り気の少ないタイプをお使い下さい。
 一種類を使っても、何種類か混ぜても、いいでしょう。要は、ご家庭にあるものを適宜使えばよい、ということです。

 今回は、塩昆布だけを使ってみました。この分量も適当なのですが、私は野菜の量の4分の1から、5分の1くらいの量をたっぷりと入れます。

 もうひとつ必要な調味料が、めんつゆです。この量もお好みです。私は、ボウル1杯の野菜につき、大匙2~3杯くらいを入れます。じゃぶじゃぶ入れてもいいのですが、このくらいにすると、昆布の旨みが残り、生きるような気がいたします。

 野菜・昆布・めんつゆ、のすべてをよく混ぜ合わせれば、出来上がりです。鮮やかにカラフルで、あっさりと美味しく、食欲の落ちる夏向きのだし(浅漬け)です。

 ご飯や冷や奴に載せたり、素麺の具にしたり、焼いた肉で包んだり、そのまま、お酒のあてにつまんでもよろしいと思いますし、楽しみ方はいろいろです。

 密閉容器に入れて、冷蔵庫で保存すれば、数日は保ちます。

 出来上がりをすぐ食べると、それぞれの野菜の味がしゃきっと立って爽やかですし、2~3時間以上、置いてから食べると、全体が馴染んで、また違った味わいが楽しめます。

 我が家では、いっぱい作っても、あっという間になくなってしまうのですが、それがまた、うれしいものです。


■矢吹 透
東京生まれ。
慶應義塾大学在学中に第47回小説現代新人賞(講談社主催)を受賞。
大学を卒業後、テレビ局に勤務するが、昨年、早期退職制度に応募し、退社。
第二の人生を模索する日々。

最終更新:8/12(土) 6:01
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