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アルベール・エルバスにスニーカーとファッションの未来を訊いた

8/12(土) 10:10配信

GQ JAPAN

2015年にランバンのアーティスティック ディレクターを退任していらい、その動向が注目されていたアルベール・エルバス。生ける伝説が再始動の相手に選んだのは、意外にもコンバースだった。

アルベール・エルバスがデザインしたコンバース!

エルバスさんは、言うまでもなく21世紀を代表する偉大なファッションデザイナーである。2001年にランバンのアーティスティック ディレクターに就任していらい、15年間にわたり、あらゆる世界、世代の男女を魅了する服を作ってきた。ずっと働きづめだったエルバスさんは、ランバンを退任してからの1年半、世界中を旅してまわったという。観光ではなく、世界中にいる友人たちに会って話をするために。ファッションの未来についてゆっくり考えるために。

「そんな時に日本のコンバースからオファーをもらったんだ。すぐに頭をよぎったのは、親友の3歳の女の子が履いていたコンバースと、95歳になる兄が履いていたコンバースのこと。2人ともとても似合っていて、おさなごから老人にまで愛されているってすごいことだと思った。日本のコラボレーションの担当者が、ウェディングドレスにまっ白なオールスターを合わせていたのも印象に残っている。スニーカーは誰にでも身近という点で魅力的だったし、今のファッションに足りないもののひとつが”ユーモア”だと思っていたから、それを形にするにはコンバースはぴったりだったんだ」

今回エルバスさんがデザインしたのは全6型。ハイエンドラインの「アヴァン コンバース」として、日本のみでの展開となる。だから、日本のコンバースのエクスクルーシブという性格上、日本人に履いてもらうことを前提にデザインしたという。

「じぶんの顔のイラストを打ち出したのは、日本には“カワイイ”の文化があるから。私のすべてを表現したかったから機嫌の悪いときの顔も入っているけどね(笑)。シューズ、ボックス、ショッピングバッグのグラフィックを統一したのは、日本の贈り物文化を表現したかったから。コンバースといえばコットンキャンバスのイメージが強いけれど、上質なレザーを使ったのもこだわったところなんだ」

エルバスさんが手掛けた今回のアヴァン コンバースは「Exclusive for All」というコンセプトを掲げている。そこには、ファッションは一部の限られた人のものではない、というメッセージが込められている。

「どこそこの有名エディターに気に入ってもらうために服を作るなんて時代は、もうとっくに終わっている。今の若い子たちは頭が良くて、情報を取捨選択する力を持っているから、そういうことをやっているブランドは厳しくなる。世界中のハイブランドのショップにお客さんが入っていないのは、単純に共感してくれる人が少ないということ。今は誰もが共感できるエクスクルーシブが求められている時代で、そこにファッションがうまく対応できていない気がする」

でも、エルバスさんはファッションに対する希望を捨てていないばかりか、むしろ希望を託している。「世界情勢に暗雲が立ちこめているけれど、幸いにも私たちは幸運な世界にいる。なぜなら、ファッションは武器じゃなくて、美しさと幸せを世界にもたらすものだから。だからファッションがもっともっと必要とされる時代が来ると思っているんだ」

アルベール・エルバス
ファッションデザイナー

1961年、モロッコ・カサブランカ生まれ。ニューヨークでファッション業界でのキャリアをスタートし、1998年にイヴ サンローランに入社。2001年にランバンのアーティスティック ディレクターに就任し、2015年までブランドを牽引した。

Kaijiro Masuda

最終更新:8/12(土) 10:10
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