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来年から始まる「つみたてNISA」の知らないと損する活用法

8/12(土) 8:13配信

@DIME

 2018年から新たな少額投資非課税制度が始まる。「つみたてNISA」という制度だ。2013年から始まった「NISA」という制度の積立版であり、1年あたり40万円までで20年間、計800万円分の投資で得た利益が非課税になるという制度である。2017年10月から各金融機関で申込受付が始まる予定。「『長期投資に適した商品を積立投資を通じて、長期で保有することの有効性』を認識してもらう」(金融庁:「つみたてNISAについて」より引用)ことが目的の制度である。

【グラフ】来年から始まる「つみたてNISA」の知らないと損する活用法

 金融庁の調査によれば、NISAの口座数は約1077万口座(2017年3月現在)と、日本国民の12分の1しか利用していない。そこで同庁は家計の資産形成を後押しするために政策的な対応が必要であると判断し制度化した。冒頭から難しい言葉が並んでしまったが、ビジネスパーソンとして最低限知っておきたい「つみたてNISA」の情報を整理しておこう。

■まずは制度の内容をチェック:「40万×20年間の積み立て投資」がキーワード

 つみたてNISAと現行NISAは共存できず、どちらか選ぶ必要があることを念頭におき、以下の表に整理したつみたてNISAの内容と特徴を見てみよう。比較のため現行のNISA制度(以下「現行NISA」)もまとめてある。

つみたてNISAと現行NISAの比較
現行NISAは2017年をもって5年間の対象期間が終了し、次の対象期間として2018年から再度5年間、120万円/年ずつ600万円までの投資に対して、発生する利益が非課税になる。つみたてNISAでは、20年間、40万円/年ずつ800万円までの投資が対象。両制度とも買い付けた商品はいつでも売却・引き出しすることができるが、非課税枠を繰りこしたり、売却した分の枠を再利用することはできない。

 金額と期間以外に大きく異なるのが「対象商品」である。現行NISAでは証券会社が取り扱っている投資信託や国内株式、海外株式などが幅広く制度の対象になっている。一方でつみたてNISAの場合は、長期の積立投資に向いている投資信託・ETFに限られている。値動きが激しくなく安定的に成長するであろう商品が対象になるので、投資初心者でも商品が選びやすいというメリットがある。

 積立投資では「時間分散」という言葉を目にする。800万円をどかっと1回投資するよりも、40万円を20年間にかけて投資したほうがリスクが少ない。購入する金額を一定にしておき、安いときにはたくさん買って、高いときには買う量を減らすことで、高いときにたくさん買ってしまうリスクを抑えられる。という考え方に基づく。この手法は「ドル・コスト平均法」と言う。

つみたてNISAの投資対象となる金融商品の条件
金融庁が示している金融商品の条件では具体的な商品名は出されていない。
条件として、毎月分配されない。販売手数料無料。などの条件が並んでいる。

 ここで、あれ?と思った人は勘が鋭い。この時間分散方法を使えば、「積立投資に向かない商品を買ったって構わないのでは?」と思わないだろうか。その通りである。しかしつみたてNISAは安定した資産形成をしてもらうのが目的の制度。言ってしまえば、預金を投資に回してもらう制度。株式市場から平均的なリターンを獲得できる安定した金融商品でなければならない事情があるのだ。そんな金融商品は日経225などの株価指数(インデックス)に連動するような商品なのだが、景気が悪くなれば当然マイナスになることだってありうる。経済が20年間少しずつでも成長し続けないと意味が無かったりする。

つみたてNISAの投資対象になりそうな投資信託例
日経225ノーロードオープン(運用会社:アセットマネジメントOne)という日経225に連動する投資信託で、金融庁が示す条件は満たしている。この投信の場合では過去10年間でプラス1.88%のリターンが得られているが、景気が悪くなればマイナスになることも当然ありうる。
引用元:マネックス証券の投信販売ページ

■対象商品を見ても期間を見ても現行NISAをオススメしたい

 制度の内容や特徴はわかったんだけど「結局どちらを選べばいいの?」と聞かれたら、筆者は迷わず現行NISAをオススメしたい。

 非課税の枠を比べれば「つみたてNISA」のほうが200万円も大きいのだが、1年あたりの非課税枠が40万円と少ないし、投資できる商品がすごく限られている。それに「積み立て」は現行NISAでも利用できるので、毎月3万3000円以上の投資信託の積み立てを考えているのなら、つみたてNISAだと枠が足りない。また20年間毎年40万円ずつ積み立てたあと、どうしたいか考えられるだろうか。20年間積み立てている間に大きなお金が必要になったとしたら?そう考えると、計算上は15年間(600万円分:現行NISAの非課税枠合計)積み立てし続けられないのなら、つみたてNISAは損することになる。早いうちに非課税となる枠を使い切ったほうが得なのではないだろうか。

現行NISAで利用できる投資信託の積み立てサービスの例
野村證券が扱っている「ファンドるいとう」というサービスが現行NISAで利用できる。毎月決められた日に、あらかじめ定めた金額を買い付けることができる。
引用元:野村証券ファンドるいとう

 非課税総額800万円、現行NISAより非課税期間が長くて金額も大きいからという理由で、つみたてNISAを選ばないで欲しい。15年以上絶対に引き出さない自信があって、株価指数に連動する投資信託だけに投資し続ける自信がなければ、現行NISAを選んだほうが賢明である。

文/ぺったん総研

@DIME編集部

最終更新:8/12(土) 8:13
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