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日本人の4人に1人が悩む水虫、こんな新製品を出せば「年30億円」売れるワケ

8/12(土) 12:20配信

NIKKEI STYLE

 戦略コンサルタントに必要なスキルのひとつに、だいたいの大きさを推定するという技術があります。それはたとえばこんなシーンで使われます。

 あなたが食品用乾燥剤(シリカゲル)の用途開発のアイデアを評価するコンサルタントだったとしましょう。食品用以外の用途でシリカゲルがもっと売れないかと、いろいろなアイデアを出してもらった中に、

 「靴下の中に入れて水虫を予防する」というアイデアが出たとします。この商品、うまくいったとして年間どれくらいの売り上げになるでしょう?

 コンサルタントはこういった問題を推定するのが得意です。たとえば私なら、

推定売り上げ=水虫に悩む人口×市場浸透率×年間購買量×単価

 というように式を置きます。答を出すために、まず推定式を作って、次に式の中に代入すべき数字を集めたり、推定したりします。

 調べてみると日本人の4分の1が水虫に悩んでいるといいます。子どもを除いてざっくりと推定すれば、2500万人が水虫に悩む人口と置くことができます。

 そういった人のうち、どれぐらいがこの商品を買うでしょう? わからないときはざっくりと10%とか5%とかいう市場浸透率の数字を仮説で置いてみます。仮にこの商品がヒットしたら水虫に悩む人の10%が靴下に乾燥剤を入れる習慣がつくようになると仮定してみましょう。

 購買量と単価は、商品をイメージして仮定を置きます。たとえば足の指で乾燥剤をがっしりと握って靴下を履く、そんな商品。40個入りで市販価格が100円。40個といっても両足ですから、20回分。これが1カ月の購入量として、年間12パック購入すると仮定します。

■「フェルミ推定」の使い方

 さあ掛け算をしてみましょう。

推定売り上げ=2500万人×10%×12パック×100円=30億円!

 日用消費財メーカーのちょっとした新商品としては、そこそこの市場規模かもしれませんね。なおこれはあくまでブレインストーミングで出たアイデアの話ですので、靴下の中におせんべいの中に入っている乾燥剤を入れても安全かどうかはわかりません。入れてみようと思った人は自己責任でお願いします。

 さて、このようなざっくりとした規模感の推定のことを、コンサル業界用語で「フェルミ推定」といいます。物理学者のエンリコ・フェルミが好んで学生にこういった問題を出したからだと言われていますが、そのエピソードは記事末でご紹介するとして、フェルミ推定にちなんだ問題にトライしてみましょう。

【問題】
 コンサルタントであるあなたは飲料の自動販売機のオーナーにインタビューしました。彼は自販機オペレーターから「平均的な自販機オーナーです」と紹介してもらった人です。オーナーの話によれば、120円の飲料が1本売れるとオーナーの取り分は24円。電気代4000円を経費で引いた1カ月のもうけは1万円だといいます。さあ、たったこれだけの情報から、国内に飲料の自動販売機が何万台あるか推定してください。

【ヒント】
 一見無茶な問題ですが、実はフェルミ推定で解ける問題です。経済学の法則から、もうからない自販機は淘汰され、平均すればこの程度の需要がある自販機しか生き残っていないはずという前提で推理してみましょう。

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最終更新:8/12(土) 12:20
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