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「零戦」も幕張の海を飛んだ! なぜ世界的エアレースが千葉で開催されたのか

8/12(土) 12:00配信

日経トレンディネット

 2017年6月3日と4日、千葉市の幕張海浜公園で、「レッドブル・エアレース千葉2017」が開催された。これは飲料メーカーのレッドブルがスポンサーになって開催している「レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ」という国際航空連盟(FAI)公認のエアレースだ。なぜ幕張で開催されているのだろうか。

【関連画像】零戦の展示飛行(撮影:松浦晋也)。写真は6月3日夕刻の飛行。夕焼けの中を飛ぶ零戦の背景に、海上ではアニメ映画「紅の豚」の音楽が流れ、ノスタルジックな雰囲気となった

 水上に設置したパイロンと呼ばれる円すい形の目印の間を、専用の機体で規定どおりの姿勢ですり抜けながら1周のタイムを競う。1年をかけて世界中で8戦を戦い、ワールドチャンピオンが決まる。千葉大会はその第3戦。2日間で9万人の人がレースを観に集まった。モータースポーツでいえば、F1やFIA世界ラリー選手権(WRC)のような、大がかりなイベントである。 

 同レースには、日本から室屋義秀選手がエントリーしており、4月に米サンディエゴで開催された第2戦では1位を獲得している。室屋選手は、ホームグラウンドとなる千葉大会では、ふくしまスカイパーク(福島県福島市)で十分な練習を重ねた上で千葉入りし、接戦を制して1位を獲得。連続優勝でシーズン優勝も視野に入ってきた。

 レッドブル・エアレース千葉2017では、珍しい飛行機も飛んだ。まず、スイスの時計メーカー、ブライトリングが保有する「ダグラスDC-3」旅客機だ。1940年に作られた機体で、なんと77歳。1万数千機が製造されたが、今では貴重な“ビンテージ機”。同機は世界一周キャンペーンの一環として、4月28日に台北から鹿児島に飛来。1カ月以上かけて、熊本、神戸、松島など日本各地を回り、レッドブル・エアレース千葉2017で飛行した後、6月6日に帯広から離日した。

 ブライトリングのDC-3に加えて、旧日本海軍の戦闘機「零戦」も幕張の海を飛んだ。この零戦は、回収された実機を詳しく分析して新しく生産された飛行可能なもの。実業家の石塚政秀氏が機体を購入し、日本で飛ばすために10年をかけて準備してきた。千葉では米国在住で飛行教官の柳田一昭氏が機体を操縦したが、日本人が操縦する零戦が日本の空を飛んだのは、おそらく戦後72年の間で初めてのことだろう。

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