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ウサギ、トラ、サル、シカ……カッパ!? 「狛犬」には種類がある

8/13(日) 12:00配信

BEST TIMES

  神社へ行ったときの楽しみのひとつに、「狛犬」鑑賞がある。参道や鳥居前、社殿の前庭などに置かれた一対の石像で、神を守るとされる。神社ごとに表情が異なり味わい深いのだが、どれも一般的な犬の姿には見えないのはなぜか。

 そもそも狛犬とは「狛の犬」ではなく、「狛犬」という名の霊獣だ。想像上の存在であり、実在はしていない。一説には、インドなどでは仏像の前にライオン像が二体置かれており、これが起源になったとされる。

 日本には飛鳥時代に伝わったとされ、当時は皇室を守る存在として屋内に置かれていた。これが屋外へ置かれるようになったのは江戸時代のこと。日光東照宮の徳川家康の墓前に一対の狛犬が置かれており、これがきっかけとなって参道などに置かれるようになったという説がある。

 鎌倉、室町時代あたりまでは、狛犬といえば木造のものが多かった。しかし、屋外に置かれるようになると、雨風に耐えられるように石像が増えていく。

 現在は一対の像をどちらも狛犬と呼ぶが、厳密には向かって左のみが狛犬に該当する。よく見ると口を閉じていて、角が生えているものが多い。それでは、向かって右にあるのは何かといえば「獅子」であり、口を開けていて角がないのが特徴だ。

 この口を開けた姿は、仁王像を思い出させる。どちらも口を開けた「阿形」と口を閉じた「吽形」が対になっていて、こうした狛犬は仏教の影響を受けているとも考えられている。

 このように、狛犬と獅子が対になっているのが一般的だが、なかにはほかの動物の姿をしたものが各地で見られる。

 たとえば、埼玉県さいたま市の調(つき)神社には、ウサギが置かれている。調神社はその読みから月待信仰の中心になっており、月神の使いとされるウサギを置いたとされる。境内に入ると手水所や噴水などにもウサギのモチーフが見られ、御朱印にもウサギがあしらわれている。

 猫の場合は、養蚕が盛んな地域に多く見られ、京都の木島神社が有名だ。丑年生まれの菅原道真を祀る天満宮には牛が、カッパ伝説が残る岩手県遠野市の常堅寺、愛媛県西予市の若宮神社にはカッパが置かれている。

 ほかにも、トラやサル、シカなどを置く神社もある。こうしたものは神の守護ではなく使いとされることが多い。また、「狛猫」「狛猿」などといわれるが、前述のとおり狛犬とは狛の犬ではないため、正確には「猫の像」などと呼ぶのがいいのかもしれない。

 ここではすべて狛犬とするが、その姿や造りを見ると、その神社の起源などがうかがえるものだ。夏祭りなどで神社へ足を運ぶ機会が多いこの時期、ぜひともその姿をじっくり鑑賞してほしい。

文/OFFICE-SANGA

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