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AR関連の伏兵会社のスゴすぎる? 技術

8/14(月) 11:01配信

会社四季報オンライン

 今から約1年前。夜の東京・世田谷公園で友人とスマートフォンを片手にうろうろしていました。昨年7月に配信されたばかりの「ポケモンGO」でレアなキャラクターが出没する、とのうわさを聞きつけて、わざわざ捕まえに行ったのです。米国で大人気となった後、待ちに待った日本でのリリースとあって、公園には「お祭り」と思うほどたくさんの人がいました。配信直後は各地でこのような光景が見られたといいます。

 「“ポケモンGO”がこんなに多くの人を惹きつける要因は何だろう」と考えてみたところ、「目の前の空間にポケモンがいるかのような仕掛けが楽しいのではないか」との結論に達しました。ポケモンGOはスマホ画面の映像にポケモンが現れるという演出が特徴です。これは拡張現実(AR)という技術を利用したものです。

 仮想現実(VR)は仮想の世界を作り上げて、あたかも現実の世界にいるかのように感じさせる技術。これに対して、ARは現実の世界で人が感知できる情報に別の情報を加えることで、現実を拡張表現する技術や手法をいいます。VRとARはいずれも株式市場で折に触れてハヤされるテーマです。

 6月に東京でVR・AR関連の最先端技術を紹介するイベントが開かれました。1万3000人を超える来場者が訪れ立錐の余地もないほどのにぎわいで、関心の高さがうかがえました。

 会場では、さまざまなAR技術を利用したコンテンツが展示されていました。壁に書かれたゾウの絵をカメラで撮影しながら、その画面を軽くたたくと本物のような姿が浮かび上がってきたり、鏡のようなパネルに自分を映し、同時に投影されたインストラクターの動きを見ながらエクササイズを体験できたりするなど、「拡張現実」の世界の楽しさを堪能しました。

■ 地下鉄の乗り換えもスムーズに

 いちばん気になったのが、「写真化学メディアカンパニー」という会社が紹介していた道案内のシステムです。スマホのカメラを起動すると、画面上の映像に重ね合わせて道案内の矢印が表示されます(右写真)。

 平面地図の道案内に比べると、わかりやすさが格段に向上します。私は地図を見るのが苦手で、場所探しではいつもスマホをぐるぐると回してしまいます。このシステムを使えば、そうした煩わしさから解放されるでしょう。

 同システムは、SCREENホールディングス(7735)のグループ会社のSCREENアドバンストシステムソリューションズが開発し、写真化学メディアカンパニーが代理店として位置情報に関するノウハウを生かし、提供しています。もともとは災害などが起きたときの避難誘導を行う行政の実証実験で好評を博したのが始まりですが、民間向けにも幅広く提供することを決めたところ、多くの企業から問い合わせがあったそうです。

 写真化学メディアカンパニーのジオサイエンス事業部の坂下尚久さんは「道案内や観光などにかかわるアプリでの使用を想定していたが、問い合わせには倉庫管理や配送などに関するものが多く、働き方改革にも寄与するのではないか」などと話しています。

 工場にAR技術を導入し、働いている人たちがAR対応のゴーグルのような装置を通じてネジのある場所を速やかに確認することができれば、作業時間の短縮につながるかもしれません。宅配の現場でも配達員などの不足を補うことが可能。配達場所へのルートがわかりやすく表示されれば、新人をサポートする研修員を減らして配達の作業に専念してもらうことができます。

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