ここから本文です

東洋ゴム、北米で大当たりした「ニッチ戦略」

8/15(火) 6:00配信

東洋経済オンライン

 8月に出揃った国内タイヤメーカーの2017年度上期決算。各社とも通期(2017年12月期)業績予想を上方修正した。

この記事の写真を見る

 各社によって多少の違いはあるが、共通している要因が2つある。1つはタイヤの主原料である天然ゴムや合成ゴムの価格が思ったよりも上昇しなかったこと。そしてもう一つが、北米市場でSUV(多目的スポーツ車)やピックアップトラックといった大型車向けのタイヤが好調だったことだ。

 中でも強みの製品をうまく売り出せているのが、ブリヂストンと東洋ゴム工業だ。北米でのSUV向けもしっかり伸ばしている。

■SUV独り勝ち状態の米国市場に対応

 ブリヂストンは上期7.3%の営業減益となったものの、通期では営業利益を120億円増額し、前期比3.2%増の4640億円の見通しに上方修正した。

 同社で大きいのは一般タイヤの倍の利益率があるとされる鉱山用タイヤの復調。前期末から石炭採掘用などの大型のタイヤが売れ始め、足元は資源メジャーに納める超大型のタイヤが増えている。上期実績では超大型が前年同期比15%増、大型は45%増と回復基調が鮮明となっている。

 そして、北米SUV用のタイヤも前年同期比2割増と販売を伸ばしている。江藤彰洋副社長は「18インチのタイヤはここ3年ほど毎年20%ずつ増えている」と説明。特に新車用では足元で2割を大きく上回る伸びを見せているという。

 このため、ブリヂストンでは「いま準備をしておかないと、今後増えるリプレース(補修用)の需要についていけない」(江藤副社長)と、将来の補修用タイヤの需要増を見越し、年初に216億円を投じ米ウィルソン工場の増強を決断。SUV用の大口径タイヤの増産を進めているところだ。

 米国の新車販売は2016年に1755万台と過去最高を記録。好調を牽引するのは足元の新車販売の6割以上を占めるピックアップやSUVだ。新車販売が膨らんでいることは、将来の補修用タイヤの需要増を約束するだけに、各社とも、特需への対応で多忙をきわめている。

 米国では日常的に車を使い、走行距離も長く、悪路も多い米国では1年でのタイヤ交換が一般的だ。タイヤ交換の頻度も高く、補修用は新車用に比べ利幅がよいともなれば、タイヤメーカー各社にとって米国市場の取り逃しは許されない。

1/3ページ