ここから本文です

「オプション取引」を知りたい人にわかりやすい入門書 --- 尾藤 克之

8/30(水) 16:14配信

アゴラ

最近、書店に行くと投資系の書籍が目立つ。「必ず儲かる」「日本一簡単」「1日○○分」などのタイトルが多いが、そのほとんどに根拠が無い。しかも、投資家としては少々相応しくないような人が書いているものが少なくない。今回は、『世界一やさしいオプション取引の教科書1年生』(ソーテック社)(http://amzn.to/2iGRGaW)を紹介したい。

著者の、岩田亮(以下、岩田氏)は投資会社を経営している(CFP、中小企業診断士も取得)。また、本書の世界一は「世界一わかりやすいトレード方法」という意味になる。従来は、スプレットやオプションを組み合わせた「合成ポジション」が多く、難解でわかりにくかった。初心者が扱うには少々ハードルが高かった。

本書では、著者の岩田氏が、自らの経験をもとに、単純な「コール売り戦略」によるパターンを公開している。投資は自己判断になるが、このコール売りの仕込みだけは理解しておいて損は無い。シンプルでわかりやすいことは間違いない。

まずは「オプション」を理解しよう

さて、突然だが、あなたが大のブドウ好きで、仕事でもワイナリーを経営するなど、ブドウに関わっていると仮定しよう。3ヶ月後に、ブドウを使ったイベントが開催されることになった。あなたは、プロジェクトの責任者に任命されている。この場合、もっとも気を使うのが3ヵ月後のブドウの仕入れコストではないだろうか。

「イベントの当日には、大量のブドウを用意しなくてはいけないとしましょう。これから旬に向かっているその品種のブドウの値段は、例年だとキロあたり1000円だとします。安くは無いですが、これまでの販売実績や、話題性などからそれなりの来訪客の見込みが立っています。ところが天気予報をみて不安になってきました。」(岩田氏)

「長期予報では、今年の台風は例年の数倍が予想されています。品薄になれば、価格が高騰することも考えられます。そんな時、証券マンから次のような金融商品の案内がありました。それは、3カ月後に、同じブドウを『キロあたり1000円で買う権利』でした。もし格安で売っていたら、ほしくはないですか?」(同)

これは、あくまでも仮定の話だが、このような商品があれば、「仕入れ値」を気にする必要が無くなる。台風がきて価格が高騰したとしても、キロあたり1000円で同じブドウを購入することができるからだ。もちろん、逆のケースも想定されるが、この金融商品を購入すれば価格高騰の悪夢からは解放されることになる。

「イベント時に、必要とされるブドウの量が1トンだとします。キロたり1000円だとすると100万円ですね。先ほどの『1000円で買う権利』があれば不安を感じることはありません。長期予報どおりにいくつかの台風がやってきたとします。ブドウの仕入れ値は、予想を超える『キロ2000円』まで高騰しています。」(岩田氏)

「1トンのブドウを仕入れるのに200万円が必要になります。でも、あなたは、1000円で買う権利を持っています。堂々と、1トンのブドウを仕入れることができます。このような権利を売買するのが『オプション取引』なのです。」(同)

本記事ではシミュレーションやメソッドまでは紹介しない。しかし、オプション取引を知らなくても、なんとなくイメージはついたのではないだろうか。

1/2ページ

最終更新:8/30(水) 16:14
アゴラ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

アゴラ-言論プラットフォーム

アゴラ研究所

毎日更新

無料

経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム