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アサヒ秘蔵っ子「ウィルキンソン」がバカ売れ

9/2(土) 6:00配信

東洋経済オンライン

 アサヒ飲料が販売する炭酸水「ウィルキンソン」ブランドが絶好調だ。2007年に161万箱にすぎなかった販売数量は、8年連続で過去最高を更新。毎年ほぼ2ケタ成長を続け、2016年に1630万箱と10倍超に拡大している。

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 今年も俳優のディーン・フジオカ氏を起用したテレビCMを積極的に放映しているほか、アサヒビールから缶チューハイの「ウィルキンソン・ハード」を発売するなど、強化策を進めている。

 そのかいもあって、今上期(1~6月)の販売数量は前年同期比32%増。同社が主力と位置づける三ツ矢サイダー、ワンダ、十六茶といったブランドが1%増程度にとどまったのとは対照的だ。

■ハイボールブームがきっかけ

 躍進のきっかけは2009~2010年に起きたハイボールブームだ。それまでのウィルキンソンは瓶のみの販売。しかもカクテルの割り材用炭酸水としてバーやホテル向けなど業務用が中心だった。

 ブームで、ハイボールを作る際にウイスキーの割り材として使う炭酸水の需要がまず伸びた。ウィルキンソンの特長は強炭酸。「バーテンダーも一度ハイボールなどの作り方をウィルキンソンで覚えてしまうと、なかなかブランドを変えてもらえない」(競合メーカー)。

 加えて、家でハイボールを作った人は、余った炭酸水をそのまま飲んでいるケースが多いことが当時のアサヒ飲料の調査でわかった。

 欧米と違い、日本では炭酸水を直接飲むのは一般的ではなかったが、「飲んでみるとそのままでも意外にいける、という声が顕在化してきた」(アサヒ飲料・マーケティング本部の水上典彦氏)。

 そこでアサヒ飲料は、それまで瓶入りのみだったウィルキンソンに、2011年にPETボトル入りを追加。「そのまま飲む、“直飲み”という新しい飲み方を提案したことで、急激に売り上げが伸びた」(水上氏)。

 もう1つ、数量拡大の要因には健康志向がある。国内の飲料市場全体は2016年に約5兆円(富士経済調べ。以下同)。そのうち有糖も含む炭酸飲料の市場規模は約5560億円で1割ほど。2012年の5376億円からほぼ横ばいが続いている。

 一方で、糖類を含まないミネラルウォーターや緑茶は市場そのものが拡大傾向にある。無糖の炭酸飲料も、市場としては360億円と決して大きくはないが、2012年の179億円から2倍以上に増えた。その中でもウィルキンソンは50%超と圧倒的なシェアを誇っている。

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