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泥棒市場と化した「メルカリ」 万引き本800冊出品でも放置

9/7(木) 8:00配信

デイリー新潮

万引き本800冊出品でも放置!  泥棒市場と化す「メルカリ」(上)

 スペイン・バルセロナの郊外にある「エンカンツ」は、ヨーロッパで最も古い蚤の市の一つだ。ガラクタからブランド品まで何でも揃っていて、以前は観光客の懐から盗まれたばかりのカメラが堂々と陳列されているなんてことも珍しくなかった。別名「泥棒市場」とも呼ばれている所以である。

 ところが、スペインまで行かなくても「泥棒市場」が日本のネット上にあるとしたらどうだろう。毎年、倍々ゲームで成長を続け、株式上場も控えた「メルカリ」に疑惑の目が向けられたのは7月上旬のことだった。

 現場は徳島県内で書店やレンタルDVD店を10店舗展開する郊外型のチェーン「平惣(ひらそう)」の売り場である。

 営業統括部長の後東祐次氏が言う。

「うちは本をPOSシステムで管理しているのですが、仕入れた数と在庫が合っていないという報告があったのです。それも1冊2冊ではなく、1タイトルにつき20冊ぐらいごそっと消えている。しかも、県南の3店舗に集中していたことから、これは転売目的の万引きにやられていると直感したのです」

 数日後、阿南市に住む40歳の女性客の存在が浮かび上がる。ダイエットやトレーニング関係の本を抱えて店内をウロウロする姿を監視カメラなどが捉えたのだ。しかも同じ本を何冊も手に持っている。店員の視線に気が付くと女性は慌てて本を棚に戻し雑誌を1冊だけ買って出て行く。怪しいと睨んだ店側は念のため彼女が店で作っていたポイントカードから、名前や入店記録を把握しておいた。

約110万円の損害

 不思議なのは、これほど大量の本を万引きしたとして、どうやって換金しているのかという点だ。昔と違って古書店チェーンで本を売ろうとすれば身分証明書の提示をしなくてはならないし、新刊本や同一本を複数買い取ることも業界のルールで禁じられている。ヤフーオークション(ヤフオク! )のようなサイトも最近は監視の目が厳しい。が、謎はすぐに氷解する。

「同じころ、パートの店員さんがフリーマーケットサイトのメルカリで新刊本が大量に売られているのを見つけたのです。調べてみると、その出品者は地元・徳島県在住で、出品数は全体で2000点近く、そのうち半分が新刊本でした。売値は定価か少し安いぐらい。一般人がこれだけの本を買って転売しても損するだけだし、同じ本を何冊も売っている。明らかにおかしかった」(同)

 たとえば、20万部を超えるヒットとなった『ずぼらヨガ』(飛鳥新社)は、定価より少し安い1049円。出品者からはこんな添え書きがある。

〈開いてなくとてもキレイな状態です。本屋さんで買おうと思う方ぜひ!!! 〉

 平惣のスタッフが出品されている本を片っ端から調べると、店から消えた本のタイトルとすべて一致するではないか。試しに1冊だけ注文してみると、くだんの女性客の名前で本が届けられた。これは間違いない。そう睨んだ平惣は、スタッフを増員して彼女をマーク、そして7月28日、万引きの現場を押さえ、女性客を逮捕したのである。通報を受けた徳島県警の捜査員が自宅に踏み込むと、部屋には発送前と思しき大量の新刊本が積まれてあったという。

「万引きで立件されたのは現行犯で捕まえた際の1冊だけですが、我々は狙われた3店舗の在庫を改めて棚卸ししてみたのです。その結果、少なくとも795点、金額にして約110万円の損害が出ていることが分かった。女性客のこれまでの来店履歴と照合した結果、被害のほとんどが彼女による犯行だと考えています」

 そう話す後東氏だが、もちろん、これで一件落着とは考えていない。

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最終更新:9/8(金) 12:39
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