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高齢者にも “ブラックバイト”横行 長時間労働やノルマ強いる

9/8(金) 16:00配信

マネーポストWEB

 2016年8月、国家戦略特区の認定を受け、福岡県北九州市で誕生したのが、全国初のシニア専門ハローワーク「シニア・ハローワーク戸畑」だ。50歳以上を対象に、臨時の仕事ではなく、フルタイムに近い仕事を斡旋する。北九州市産業経済局の大迫道広課長は、「シニア・ハローワークができたことで、50歳以上の相談者は前年比で12%、就職決定は31%増えています」という。

 ただ、あくまで地域を限定した取り組みにとどまっており、定年後の雇用形態はアルバイトやパートなどの非正規が圧倒的に多い。

 非正規雇用の比率は、55~59歳男性では14.3%だが、60歳を境に一気に増える。60~64歳で57.1%、65~69歳で74.7%となる(高齢社会白書、平成28年版)。

 アルバイトやパート選びも、ひとつ間違えれば“地獄”の職場に行き着きかねない。68歳の元メーカー社員は、定年退職後にアルバイトを転々としてきた経験をもとにこう語る。

「60代以上でもまず面接で落ちないのが、コンビニと飲食店のバイト。こっちも40年営業をやってきたから客あしらいには困らないが、シフトにたくさん入ってくれといわれるし、深夜勤務もあるから、どうしても体力的に厳しくなってくる。

 求人が多い警備会社も、研修後の配属先によって天国と地獄の違いがある。特に道路工事の交通整理は辛い。立ちっぱなしで、暑さ・寒さが老体にこたえる。特に夏の日中は地獄です。一方、病院やビルの警備だと、冷暖房完備だし、夜勤だと看護師さんが差し入れをくれることも。もちろん、どこに行くかは選べません」

 シニアライフアドバイザーの松本すみ子氏は、「体力的にも能力的にも自分に合った仕事を選ぶことが重要」と強調する。

「非正規労働で高齢者の働き手が増えている一方、長時間労働や過酷なノルマを強いる“ブラックバイト”も出てきています。そうしたバイト先を選ばないためには、事前に時給や勤務時間、勤務形態などを書類で確認することに加え、国民生活センターなどの消費者生活相談窓口に聞くのがよい。いろんな事例が蓄積されているので、類似した職場で過去に問題が起きていないかを教えてもらえます。

 仮に過酷なノルマを課されるようなアルバイト先で勤め始めてしまった場合、とにかくすぐ辞めること。相手も辞めようとするバイトを引き留めるプロですから意外と難しいのですが、“労基署に訴える”と宣言するくらいの勢いで離れるべきです」

 会社での再雇用を選ばなかったとしても、残されるのは茨の道なのである。それでも、75歳までは自力で稼ぎ続けることを求められるのだ。

※週刊ポスト2017年9月15日号

最終更新:9/13(水) 20:25
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