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「金スマ」死体の声を聴く法医学者・上野正彦特集が話題「死者の人権を守っていく」

9/9(土) 10:41配信

ザテレビジョン

9月8日の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)では、「第5弾!法医学者上野正彦の事件簿」を放送。現役を引退した今も、未解決事件最後の砦として、北村晴男弁護士をはじめ、数々の専門家たちが遺体の再鑑定を依頼する法医学者・上野正彦の卓越した鑑定眼に迫った。

その1つが1996年10月26日夜11時、人里離れたキャンプ場付近を流れる川で村上優子さんの水死体が発見された出来事。司法解剖の結果、川辺で足を滑らせ前のめりに転倒、運悪くそこに岩か石があり額を強く強打。結果、脳震盪で意識を失ったため大量に水を飲み呼吸ができずに溺死。顔全体にできた擦過傷は死後、川を浮遊中に岩や石などでぶつけた傷だとし、事故死と判断され捜査はすぐに打ち切られた。

1年後、上野の元にやってきたのは保険会社から依頼された弁護士と亡くなった優子さんの両親だった。弁護士は「事故死ではなく殺人の可能性がある」と言う。殺人の疑いが向けられているのは第一発見者で優子さんの夫である村上拓也、その理由を語った。

まずキャンプ場で、夜の11時に優子さんが暗闇の中、1人で散歩に出かけたという点。30分後、川の浅瀬付近で浮いている優子さんを発見したが拓也は助けにも行かず管理人を呼びに行ったという行動。まるで川に浮いているという証言者を作っているようだったという。また、拓也により1億円という多額の傷害保険がかけられており、さらに同時期に他社に1億円、事故からわずか10ヶ月前に合計2億円もかけていたという点だ。その頃、拓也が経営する工場の資金繰りが上手くいかず、拓也に内緒でお金を貸してほしいと優子さんが頼んできたこともあったという。

あまりに不自然な点が多いため、保険の支払いは拒否したというが、拓也は保険会社を相手に支払いを求めて訴訟を起こしてきたという。両親は優子さんは戻らないが、拓也に保険金が支払われることは許しがたいと嘆く。

上野も事故ではないという決定的な根拠がないと裁判に協力するわけにはいかなかったが、遺体の顔写真を見た瞬間「今回の件、お引き受けできますね。このご遺体は雄弁に語っていますよ、私は殺されたんだと」と即答した。「この事件は最初の法医学の鑑定人が先入観にとらわれてしまって判断を誤った、その結果、誤った結論になってしまった」と上野、その後、裁判で真相を明らかにする。

この裁判は拓也が2億円の支払いを求めて保険会社を提訴したものだった。争点は亡くなった優子さんの死因が本当に事故なのか、ということ。上野による再鑑定で事故ではない、と証明することにかかっていた。

上野は遺体が語っていた真実を話す。「死因は第3者による殺人です。このご遺体には、脳震盪を起こした形跡はないんです。鑑定書には脳には外傷や病変は認められないと書かれています。通常、脳震盪を起こすと脳が腫れるなど、いくつかの所見が見られます。しかしこの鑑定書には脳が腫れているという症状がない。なのになぜ浅瀬の川で顔がつかっていることに気づかなかったか」。さらに上野は推測として「額の辺りを殴られるなど、何らかの衝撃を受けたあと、顔を川に押し付けられた。そう考えるとすべての説明がつくんです。その証拠は顔全体にできた擦過傷です」。誰かが後頭部を押さえつけて苦しいから顔を揺すった。それが川底の砂利や石に擦過されて形成できた傷だという。単純に頭を打って意識不明になったら頬の傷はないはずと予測した。

結果、事故死でないことが認められ、保険会社への請求は却下。そしてこの裁判を受け警察は再捜査を開始。追い詰められた拓也は殺害を自供した。

こうして優子さんと両親の無念は晴らされた。「死者の人権を守っていく。守られることによって社会に秩序が維持されるわけですから、なんとしてでも真相を解明する。そうじゃないと私たちの仕事は成り立たないですから」と上野は自身の思いを話した。

MCの中居正広も「上野先生が数々の再鑑定を行ってきたからこそ(証明できた)」と感嘆。SNSでも「死者の人権を守るという言葉に感動した」「監察医の能力によって完全犯罪になりうるのが怖い」など視聴者の意見が多く見られた。

次回の放送は9月15日(金)。20時57分から放送予定。

最終更新:9/9(土) 10:41
ザテレビジョン

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