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「言葉の天才」永六輔が遺した仕事が楽しくなる「3つの金言」

9/10(日) 8:30配信

@DIME

数々の国民的名作を遺して亡くなった永六輔さん。その足跡をたどった孫が、現代に役立つ言葉を紹介する『大遺言 祖父・永六輔の今を生きる36の言葉』が反響を呼んでいる。この中から、ビジネスパーソンに役立つ金言を厳選紹介!

【写真】「言葉の天才」永六輔が遺した仕事が楽しくなる「3つの金言」

◎久米宏さんが今も大切にしている言葉

 立場や肩書に縛られ、やりたい仕事ができない人は少なくない。『ニュースステーション』での自由な発言が人気を集めた久米宏さんもそのひとりだった。永六輔さんの足跡をたどる過程で、久米さんに取材した孫の永拓実さんが紹介する。

「久米さんはTBS入社後、すぐに病気で休養。復帰後も仕事がなく、雑用をこなす日々でした。転職を考えましたが、祖父のラジオ番組に関わったことで転機が訪れたそうです」

 同番組では中継を担当したが、スタジオの永さんはなかなか認めない。容赦なく中継を打ち切られることも。

「そんな中、久米さんは祖父に『もっと自由になれよ』と言われた。それから海に飛び込んだり、電柱に感情移入してその電柱の半生を語ったり、アナウンサーらしからぬレポートをするようになったそうです」

 久米さんは、こうも話したという。

「永さんと出会い、立場を捨て、自分が面白いことを純粋に追求することの大切さを学んだ。今もこの姿勢を意識しながら働いています」

 プレゼンや商談、上司への報告や部下への説明など、ビジネスパーソンにはコミュニケーション能力も欠かせない。それについて永さんは、こんな言葉を遺している。

『専門家じゃないからこそ、言えることがある。細かい違いは気にせず、どう役に立つのか。知識でしゃべらず、知恵でしゃべる』

 拓実さんが解説する。

「例えば、僕は大学で『色即是空』という仏教用語についてこう説明されました。『色すなわちこれ空ということ。色はサンスクリット語で目に見えるもの、形あるものという意味で……』。これに対し祖父は、『色即是空はつまり、ドーナツの穴。ないけどある。あるけどない』と説いた。僕にはこの説明のほうがわかりやすく、素人には十分な気がしました」

 何を説明したいのかよりも、何を伝えたいのかを考えないといけない――同じく永さんが遺した、コミュニケーションの本質をつく言葉だ。

 一方、上司や取引先に何かを問われ、つい適当に受け答えしてしまうケースも少なくない。長年、永さんと共演したTBSアナウンサーの外山惠理さんは、「知らないことばっかりで申し訳ない」と話した時の、永さんの一言が忘れられないという。

『どうして謝るの。知らないのは恥じゃない。知っている振りをするのが恥だよ』

 永さんの実績はこの姿勢を貫くことからも生まれた。拓実さんが語る。

「例えば、祖父が作詞を始めた当時は、文語体で燃えるような情愛やドラマチックなテーマで詞を作るのが主流でした。これに対して祖父の作詞は、驚くほどシンプルな言葉を連ねたものばかりでした」

 なぜ主流に乗らなかったのか。永さんはこう説明したという。

「美文調の詞なんか書けないから、『どうしよう』とか、『こんにちは』とかいう日常会話になっちゃった」

 当時の永さんは作詞や音楽に関しては素人だった。もし中途半端に既存の手法をマネていれば、何の変哲もない詞しか書けなかったかもしれない。永さんはこうも言っている。

『何もないということは、何でもやれるということだ』

 誰だって、経験がないからこそ、生み出せる成果があるということだろう。

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIME編集部

最終更新:9/10(日) 8:30
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