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アフリカを飲み込みつつある中国人のエゲツない「黒人差別」意識

9/12(火) 7:00配信

文春オンライン

 最近、アフリカが日中両国の新たな衝突点となったのをご存知だろうか? 今年8月24~25日、河野太郎外相がモザンビークで開かれたアフリカ開発会議に出席。同閣僚級会合で、日本側が中国の海洋進出を念頭にして、国際法に基づく海洋安全保障の重要性を確認したことに中国側が反発を示しているのだ。中国外交部の報道官は定例記者会見で「日本側の動機は不純」(8月22日)、「日本がアフリカとほかの国の関係に水をさすことを止めるよう望む」(8月28日)と、ずいぶんなおかんむりである。

 中国の対アフリカ投資額はゼロ年代なかばから急増しており、いまや直接投資残高は日本の3倍以上の325億ドル(約3.6兆円、2016年3月時点)に達する。そもそも中国は1950年代から「第三世界」諸国の連帯を主張してアフリカと独自の関係を築いてきたので、交流の歴史も長い。今回中国が見せた強い反発は、日本の動きに対して「自分のシマに手を出すな」といった感情も反映されているのだろう。

 欧米メディアでは「新植民地主義」という批判も出ているが、近年の中国による巨額の投資やインフラ援助はアフリカ各国でおおむね好意的にとらえられている。現在、アフリカ大陸全体からの留学生の送り出し先として中国は欧米各国をほぼ追い抜く勢いであり、中国を最大の貿易相手国とする国も多い。

 だが、中国側の対アフリカ認識を観察すると、民間レベルではトラブルの火種が少なからず見られるようだ。今回の記事では、そんなキナ臭い兆候を感じる近年の中国のアフリカ関連ニュースやネット上の動きを追ってみたい。

アフリカの子どもを使った「商品」が問題化

 今年8月、中国のIT大手、アリババ社が運営するネットショッピングモール・タオバオに出品されていた「人気商品」が問題視された。これはアフリカの子どもに、中国語のメッセージボードを持たせた写真や動画を販売するものだった。

動画 https://youtu.be/iY6In-Fiu7I
※Youtubeで確認できる、中国語のメッセージをアフリカの子どもに叫ばせる動画。これはアウトであろう。

 8月7日付けの中央人民広播電台ウェブ版記事によると、撮影地はザンビア。サービスの価格は30~220元(約500~3700円)ほどで、文字の内容は買い手側でカスタマイズできる。安いコースはただの画像だが、高いコースだと、ボードを掲げたアフリカの子どもたちがメッセージ内容を中国語で叫ぶ動画となる。以下、中国のネット上で確認できたメッセージの例を紹介しよう。

「〇〇さん、21歳の誕生日おめでとう! Forever love!」

「嫁さんへ。俺が間違ってた。帰ってきてくれ。愛してる」

「大人気! スマホゲーやるなら△△△を。すぐに検索ダウンロード」

「画像のフォトショ修正なら■■■デザイン。出来が悪ければ全額お返しします!」

 中国語を理解していない外国の子どもをメッセンジャーに仕立て上げて商売をする行為にはなんだか抵抗を覚えるが、このサービスは中国人のユーモアのツボにハマったらしく大人気に。微博(中国版ツイッター)の投稿やチャットソフトでの友人間のやりとりなどで、中国語メッセージを手にしたアフリカの子どもたちがやたらに出てくるようになった。

 だが、8月7日に『北京青年報』が、メッセージの販売業者が子どもたちを不当に搾取している可能性を指摘。同紙が取材したある業者は、価格220元のうちで「(業者側は)30元しか得ていない」「残りはアフリカの子どもたちにあげている」などと主張したようだが、実際は数元しか支払われていないことも明らかとなった。

 やがてニュースは香港の英字報道を経由して世界に流れ、8月14日にはアフリカ各国ニュースメディアの『アフリカ・タイムス』、同18日には英国BBCが、異文化に対する配慮の不足や道義的問題を指摘する記事を掲載。ニューヨーク証券取引所にも上場しているアリババ(タオバオの運営元)はこの流れをマズいと感じたのか、こうした海外報道と前後してサイト上からこのサービスをすべて削除する処置を取った。

 コピーが容易なデジタルコンテンツはネット上では売りづらいはずだが、各個人にオンデマンドで作成した画像や動画なら心配がない。最初にこのサービスを考えた人はかなり賢いとも言える。ただし問題は、売り手にも買い手にも、人権意識の「じ」の字もなかった点なのであった。

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最終更新:9/12(火) 12:33
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