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トランプが言う「あらゆる選択肢」は実際、どのくらい現実的か

9/12(火) 11:00配信

現代ビジネス

 日本では北朝鮮の相次ぐ挑発行動に対して、危機意識が高まっています。殊に、日本上空を通過した弾道ミサイル及び6回目の核実験は衝撃的であり、国民は北朝鮮の核・ミサイル開発問題を喫緊の課題と捉えていますが、一方で米国民は北朝鮮問題をどのように考えているのでしょうか。トランプ大統領は「すべての選択肢が(交渉の)テーブルの上にある」と述べますが、それらの選択肢は効果があるのでしょうか。

米国民は「大したことない」が多数派

 安倍晋三首相は、トランプ大統領と電話協議を行うたびに、北朝鮮問題について日米が「完全に一致した」と語気を強めて語ります。ところが、両氏の間では認識の一致があるのかもしれませんが、日米の両国民の間では、意識にかなり相違があります。

 まず、FNNが実施した日本の世論調査(2017年8月19-20日)を見てみましょう。同調査によりますと、米国と北朝鮮が軍事衝突を起こす可能性に対して78.2%が懸念を示しています。そして58.4%は、トランプ大統領に外交交渉による解決を期待していません。裏を返せば、北朝鮮問題を解決できるのは米国の軍事攻撃のみであると考え、トランプ大統領にそれを期待しているフシがあります。

 では、米国の世論調査ではどのような結果が出ているのでしょうか。

 NPR(米公共ラジオ)、PBS(米公共放送)及びマリスト大学世論研究所による共同世論調査(2017年8月14-15日実施)によりますと、米国民の期待度は北朝鮮との「直接交渉」が39%、「中国の影響力行使」が37%、「核施設攻撃」が11%、「先制核攻撃」が4%、「政権転覆を狙った米軍派兵」が2%の順になっています。

 この結果を大きく2つに分けると、外交交渉派が76%、軍事攻撃派が17%になります。日本では「外交交渉には期待できない」という声が過半数を上回っていましたが、米国では直接交渉・中国の影響力行使といった外交交渉派が多数を占めています。

 米CBSニュースが行った世論調査(2017年8月3-6日実施)においても、「今、軍事行動が必要である」は29%で3割程度です。米国の世論調査では、いずれも日本の世論調査とは異なる結果が出ており、日米の意識に温度差があることがわかります。

 さらに、北朝鮮の核・ミサイル開発に関する米国民の意識を調べてみましょう。米CNNテレビの世論調査(2017年8月3-6日実施)によりますと、47%が「重大な問題ではあるが危機ではない」と回答しており、「米国にとって危機である」の32%を15ポイントも上回っています。ちなみに、「重要な問題ではない」と「全く問題ではない」の合計は約2割になります。米国民は、北朝鮮問題は差し迫った危機ではないと考えている人が多数派です。

 また調査結果では、軍事行動に関して賛成が50%、反対が43%になっています。ただし、「中国が主要な役割を果たす」が70%で、中国の北朝鮮に対する影響力行使にかなり期待が高いと言えます。一方、米国が北朝鮮問題に関与するか否かについて、「主要な役割を果たさない」並びに「全く役割を果たさない」の合計は28%になり、世界の出来事にコミットしない「米国第一主義」を支持する不干渉主義者がおよそ3割を占める点にも注目です。

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最終更新:9/12(火) 11:00
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