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「宇宙の穀物」は地球を救えるか? “食”から読み解くアフリカの可能性

9/14(木) 18:32配信

WIRED.jp

TEDGlobal 2017の3日目となる8月29日、わたしたちは差し迫る食糧危機について、改めて衝撃の数字を目にすることになった。

アフリカ人が、いま世界に伝えたい「過去・現在・未来」の物語

食と農業に関するデータインテリジェンスを提供するテックカンパニー、Gro IntelligenceのCEOサラ・メンカーによると、2027年に、世界は214兆カロリーものカロリー不足に陥るという。この数字を身近な指標に換算すると、ビッグマック3,790億個分のカロリーが不足するということだ。「これはマクドナルドがいままでに製造してきたビッグマックの数を上回る数字です」とメンカーは言う。

すぐそこに迫る危機に対して、とるべきアクションはデータと知識を使うことだと彼女は主張した。アフリカ大陸の収穫量は大幅に改善できる。メンカーは、アフリカにおける収穫量が倍になるだけで、このカロリー不足を解消できるはずだと言う。「解決策はあります。あとは行動を起こすのみです」

その前日、「Pathmakers」と題されたセッションに登壇したピエール・チーアムは、すでに行動を起こしている。彼は、栄養価の高い古代穀物を再発見し、小規模農家と大規模な農業ビジネスが共存し合える新しいシステムを構築することで、アフリカの農地の生産性を拡大するという挑戦を始めていた。

いま花開く、宇宙の種

チーアムは、ニューヨークを拠点に活躍するセネガル人シェフだ。ニューヨークに移った際に「アフリカ料理店がほぼ存在しない」という事実を知って以来、モダンなアフリカ料理を追求し続けるパイオニアである。

セネガル料理のレシピ本『Yolele!』執筆のための調査で、セネガルの各地を旅行していた際、チーアムは「フォニオ」と呼ばれる古代穀物の魅力を再発見する。フォニオはクスクスのような見た目をしているが、よりエレガントでナッツのようなフレーヴァーがあるのが特長である。現在は聞きなれない食べ物かもしれないが、きっと近いうちに、グローバルシティのスーパーマーケットや人気レストランなどで見かけることになるだろう。

「フォニオは5,000年以上も前から栽培されており、アフリカ大陸では最も古い農作穀物ではないかといわれています」と、チーアムは言う。フォニオは古代エジプトでも栽培されており、考古学者はピラミッドの墓の地中からもその種を発見しているという。

チーアムがフォニオについて調査を続けると、この穀物にはしばしばその土地の神話が紐づいていることがわかった。「マリの偉大な文明のひとつであるドゴン民族は、フォニオのことを『ポー』と呼んでいました。それは『宇宙の種』を意味しており、この古代文明の神話によると、フォニオの種から宇宙が芽吹いたとされています」

現在にいたるまでの間にフォニオは忘れ去られ、セネガルの都会の日常からは姿を消してしまったが、この「宇宙の種」は21世紀に再び花開くかもしれない。フォニオは栄養価に優れており、多くの穀物に不足しているメチオニンとシステインという2つのアミノ酸を豊富に含む。かつフォニオは栽培しやすく、生育も速い。「種をばらまいて、数カ月後に収穫に戻ってくればいい。貧弱な土壌にも耐え、水も最低限で済みます。ほかの植物が生育しないような土地でもサヴァイヴできるのです」とチーアムは言う。

フォニオは美味しく、活用範囲も幅広いので、どんな穀物の代用品ともなりうる可能性がある。つまりフォニオは、古代穀物の人気が高まる米国のグルテンフリー業界の、233億ドルとされる市場シェアを獲得する大きな可能性をもっているのだ。

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最終更新:9/14(木) 18:32
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