ここから本文です

「大阪維新の会」、原理主義者たちの屈折 --- 宇山 卓栄

9/14(木) 17:10配信

アゴラ

雨の日も、風の日も

東京の人にはわからないかもしれないが、「大阪維新の会(以下、「維新」とする)」を支持する人々の熱狂はスゴい。橋下徹氏が去った後もまだまだスゴい。

7月の都議選で「都民ファースト」が大勝した時、熱気はあったが、熱狂という程のものはなかった。「維新」には、その熱狂がある。支持者たちは「維新」が大阪を改革し、変えると信じている(実績もある)。支持者たちは自ら進んで、雨の日も風の日も街頭でビラを配り、声を張り上げる。

彼らは改革を「大阪都構想(以下、「都構想」とする)」によって達成しようとする。「都構想」とは何か。一言で言えば、大阪市のような政令市を解体し、東京と同じように特別区(千代田区や中央区など)を創設する構想だ。政令市の巨大行政機構が様々なムダを生んでいる、だから政令市を潰せ。これが「都構想」だ。

この「都構想」を「維新」は政策の一丁目一番地に掲げる。「維新」は「都構想」とともにあり、「都構想」によって改革を断行しようとする原理主義者たちの集団である。

修正主義者

橋下氏以来、その原理主義を徹底させる姿勢や情熱が大阪人の強い共感を呼び、「維新」は熱狂的に支持されてきた。ところが、その原理主義を転換しようとする修正主義者が現れた。「都構想」を受け入れない、これを拒絶すると言っているのだ。

現在、大阪市南部に位置する堺市(政令市)において、堺市長選挙(10日告示、24日投開票)が行われている。この選挙選に先立ち、7日に公開討論会が開催された。3選を目指す現職の竹山修身市長(67)=自民、民進、こころ推薦=と、「維新」公認の元大阪府議、永藤英機氏(41)が「都構想」などを巡り議論を交わした。

この討論会で「維新」の永藤氏はこう明言した。

“「(市長になれば)自分の任期中には都構想を議論さえしない」”

なぜ、除名しないのか

永藤氏が「都構想」を拒絶した瞬間、「維新」の原理主義は破られた。そして、このような修正主義者が堺市長選の「維新」の公認候補となっている。驚くべき大転換だ。

なぜ、永藤氏は修正主義の立場を取るのか。理由は簡単だ。多くの堺市民は「都構想」によって、堺市を潰されたくない。その多数派に配慮し、「都構想」を拒絶したのだ。つまり、選挙の票目当てということだ。

政党・党派というものは政策理念を同じくする者が集まる組織・集団である。政策理念が一致していなければ、その政党・党派は「野合」と呼ばれる。

永藤氏は「都構想」を拒絶すると言った。「維新」の政策一丁目一番地たる「都構想」を。政策理念が決裂していることは言うまでもない。なぜ、「維新」はこのような修正主義者を放置し、許しているのか。なぜ、支持者たちも黙っているのか。即刻、除名をするべきではないのか。「維新」の生みの親たる橋下氏は理念なき「野合」を最も嫌った。

1/2ページ

最終更新:9/14(木) 17:10
アゴラ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

アゴラ-言論プラットフォーム

アゴラ研究所

毎日更新

無料

経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム