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【遺留メモ9(終)】上川隆也「今後の『遺留捜査』の広がりにもご期待ください」

9/14(木) 8:05配信

ザテレビジョン

毎週木曜夜8時より放送中の、上川隆也主演ドラマ「遺留捜査」(テレビ朝日系)。今シーズンから京都を舞台に移しても、“いつも通り”の「遺留捜査」ワールドを展開してきたが、そんな本作もいよいよ最終回を迎える。

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これまで8回にわたって上川の“好きなもの”について毎週連載スタイルで掲載してきた【遺留メモ】も最終回。ラストは、上川が未来永劫(えいごう)愛してやまないはずの「遺留捜査」について、今後の展望も踏まえて語ってもらう、スペシャルインタビューをお届け!

――待望の連続ドラマ最新シリーズ、ここまで振り返っていかがですか?

手前味噌かもしれませんが、2年のブランクがあり、その上で迎えた第4シーズンということでしたので、各話がより洗練されていたように思います。1本1本の台本がそれぞれとても読み応えがありましたし、演じていても楽しかったです。各話の仕上がりが楽しみでなりませんでした。

そして京都のスタッフさんの、淀みのない進行具合。セッティングから後片付けまで本当に流れるように行われ、職人さんが一つの物を作っていく手際のような心地良さがありました。

――撮影されてきて、京都感は味わえましたか?

もしかすると、それは太秦(撮影所)の持つ歴史の一端なのかもしれませんが、一つ一つのセクションごとの意思疎通が非常に密接なんです。

キャメラと照明、照明と音声、音声とキャメラというように、それぞれが有機的に連携して動くので、セッティングも早いですし、あうんの呼吸でとんとんと進んでいく感じが味わえました。いわゆる“組”という概念がより密に生きている。

例えば今回、長谷川(康)監督は複数回をまたいで担当なさったのですが、その数話は同時並行で撮影されました。一話を撮り終えてから、次を撮るという形ではなく。

でもそうした、物語がさまざまに入り組んでしまう状況の中でも、何ら停滞や差し障りを見ることはなく、本当に円滑に現場は進んでいくんです。それこそ京都制作ドラマが培ってきた一つの形なのかなと思っています。

――舞台が京都に変わって特に意識されていることはありますか?

いわゆる「らしさ」は損なわれてはいけないと思っていました、当初は(笑)。

あらためて新しい方々を「遺留捜査」のメンバーにお迎えすることになったからこそ、僕と村木(甲本雅裕)さんの2人は、芯としてそこにあるのが望ましいのだろうなどと思っていましたけど、それは結局独りよがりに過ぎなくて、いつもの糸村をいつも通りに演じていたら、結果なじみのある形に受け取ってもらえたというのが本当のところかもしれません。

自分自身の了見にあきれますが、懸念はいつも杞憂に過ぎない(笑)。何だかんだ思いあぐねても、これまでを大事にしていたら、また新しい「遺留捜査」が出来上がったと、そういう事なんだと思います。

――ちなみに京都でも自転車に乗られていますが、あれは東京で使っていたものですか?

今回の自転車は京都でご用意いただいたものです。これは今回の面白い部分の一つだとも思うのですが、京都府警では巡回に自転車を使わないそうなんです。 

皆さんヘルメットをかぶって50ccのスクーターを利用していらっしゃる。つまり糸村が自転車を使うということは、言ってしまえば、「これはフィクションです」ということの明確な表明だと思うんです。

京都府警など組織のリアルさは踏まえつつ、ディテールにちょっとした「うそ」を織り交ぜる。でもやっていることは大真面目という不思議なバランスがそこに生まれれば、それが遺留捜査の「イズム」なのかなと思っています。

――確かに糸村さんがスクーターに乗って捜査に出向くというのは想像できません(笑)。

ちょっと肩透かしを食らうかもしれませんが、見てみたい(笑)。

――序盤に比べてチームワークというか、意志疎通は変わってきた部分もありますか?

当初から空気感はとても良かったんですけど、今は更に「昨日何を食べた?」というようなたわいのない話が当たり前にできるような関係性になっています。

ただ、皆さんお忙しい方ですし、撮影の合間に東京に戻ってまた京都に来られて、を頻繁に繰り返されているので、残念なことに「みんなでそろってご飯を食べる」ということがまだ実現していないんです(笑)。

打ち入りのときも、参加できたメンバーは限定的だったので、全員ではなかったんです。ぜひ終わる前にどこかで、とひそかに切望しているところではあります(笑)。

――ここまで撮影されてきて、今回のチームでのムードメーカーはどなたになりますか?

最初に和ませたり、誰かに話し掛けたりしてくれるのは永井大くんですが、最初に笑いを取るのは戸田恵子さんです(笑)。気の利いた一言をポンっと放り込んでくれて、みんながドッと盛り上がるのがいつものパターンです。

――「特捜最前線2013~7頭の警察犬~」や「スペシャリスト」でも京都で撮影されていて、ある程度は場所も詳しいのかなと思います。特に息抜きをされる場所はありますか?

どうやら僕にはそうしたものがあまり必要ではないみたいです(笑)。

今回、初めて長期間京都に滞在しているのですが、ここに行かなければ、という場所を模索していませんし、必要ともしていないんです。

「特捜最前線」や「スペシャリスト」でご一緒させていただいた撮影スタッフの方が、今回も参加してくださっているので、現場で取り立てて肩肘張ったりすることもなく過ごせていることはとても大きいと思うのですが、お陰で必要以上にオフに何かを求めずに済んでいます。

――「遺留捜査」というと“泣ける刑事ドラマ”という側面をありますが、これまでのシリーズも含めて一番泣けたなというお話はどれでしょうか?

いきなり全話振り返るんですか(笑)……反響の大きさでは、スペシャル第4弾(2015年)の鈴木福くんの回だと思います。これはたくさんの方からのお声を伺いましたし、彼の演技力は伊達じゃないなと思った次第です。“無垢な魂の叫び”というのは響きます。

僕の思い出としてお話しするなら、第1シリーズの第5話「書きかけのカード」でしょうか。石田太郎さんと中野文吾さんのお芝居が素晴らしく、男泣きさせられましたが、僕の中で「糸村」というキャラクターが、より膨らんだ話でもあったんです。

今シリーズもいろいろな事件があって、さまざまな人の思いが描かれています。一話でもご覧になった方の琴線に触れられればうれしいです。

――では、最後に見どころをお願いします。

今回、各話のクオリティーは一定の水準が保たれていて、それぞれがキッチリと一話完結になっています。ですから極端な話、例えば最終話として放映される話が第5話として放映されても、全く差し障りがないような構成になっています。

それが逆でも、きっと何の問題もないでしょう。京都の特別捜査対策室の1日は、今日も当たり前に暮れていくというような幕引きです。だから第5シリーズがあるかもしれませんし、スペシャルもあるかもしれません。逆もまた真なり、ですが(笑)。

今回の「遺留捜査」には縦軸のない面白さがあります。もしかしたら糸村と村木さんのやりとりが縦軸と言えるのかもしれません(笑)。毎回、起きる事件の遺留品をつぶさに追っていくことに終始するのも「遺留捜査」の在り方でしょうし、いつか違った構成でお届けする事があっても不思議ではない。

この物語には、そんな柔軟性もある様に感じています。

今後の「遺留捜査」の広がりにも、どうぞご期待ください。

最終更新:9/14(木) 8:05
ザテレビジョン

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