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内縁の夫が他界 相続した息子から「家を出ていけ!」

9/15(金) 7:47配信

NIKKEI STYLE

 Case:17 先日、夫が他界したAと申します。夫といっても籍は入れていませんでしたので、私は「内縁の妻」です。夫には離婚した前の妻との間に息子がおり、法律上はその子が相続人のようです。相続財産は私と夫が長年住んでいた土地と建物のほかは、わずかな預貯金がある程度ですが、私と折り合いが悪いその子から「土地と建物は第三者に売るから、出て行け」と言われています。しかし、それでは今後生活できません。何とかならないでしょうか。

■「内縁」とは何か

 日本の法制上、婚姻は戸籍上の届け出をすることによって成立します。同居して一緒に生活をしても、法律にのっとった届け出をしないかぎり、法律上の夫婦としては認められません。一方、それぞれが婚姻の意思があって共同生活を送る関係にありながら、婚姻届を役所に提出していない男女の関係を「内縁」と呼んでいます。ルームシェアなど婚姻の意思はなく、単に同居している男女などは内縁には当たりません。また、内縁に該当するための同居期間は一概にいえないものの、最低でも3年間ぐらい必要と解されています。
 法律上、内縁に当たる関係と認められると、法律婚と同様の権利義務が発生することになります。例えば、内縁関係にある男女は互いに扶養義務や貞操義務が生じます。籍が入っていないからといって生活を援助しなかったり、自由気ままに浮気したりすることは認められないのです。しかし、すべてが法律婚と同じというわけではありません。まず、内縁には氏の変更がありません。夫婦別姓法制が実現していない日本では、氏の変更を避けるため、あえて法律婚を選択しないカップルが増えているのはご存じのとおりです。

■内縁の妻の相続権

 法律婚とのもう一つの重大な違いは、内縁には相続権がないということです。相談の件では、夫と前妻の間の子が相続人になりそうです。ちなみに、夫と内縁の妻の間に子供がおり、かつ夫に認知されていれば、その子は相続人となります。しかし、認知されていなければ夫の相続人にはなりません。法律上の婚姻関係にない男女に生まれた子を「非嫡出子」といい、従前、その法定相続分は民法で嫡出子(法律上の婚姻関係にある男女に生まれた子)の2分の1と規定されていました。
 しかし、最高裁判所は2013年9月、「父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、憲法が保障する法の下の平等に違反する」として違憲判決を出しました。これを受けて民法も同年12月に改正され、現在では嫡出子も非嫡出子も同じ法定相続分となっています。ただ、Aさんと亡くなった夫との間に子供がいないのであれば、被相続人の子が法律上、唯一の相続人ということになります。

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最終更新:9/15(金) 7:47
NIKKEI STYLE

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